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SSDとHDDの違いは何?ストレージごとの特長と注意点を簡単に解説

パソコンを利用する際に欠かせない「データ保存」。パソコンには必ずデータを保存する内蔵ストレージが搭載されており、OSなどのパソコンの根幹に関わるプログラムやパソコン上で作動させるソフト、ダウンロードしたデータなどが内蔵ストレージに保存されています。内蔵ストレージはHDDとSSDの2種類に大きく分けられ、それぞれ特長が異なるため、パソコンを選ぶ際は、それぞれの違いを踏まえておくことが大切です。この記事では、HDDとSSDの基本的な違いについてご紹介します。
※この記事は2022年9月20日に再編集しました。

HDDとは?

HDDはHard Disk Drive(ハードディスクドライブ)の略で、データやプログラムなどを電磁的に書き込んだり読み出したりする記憶装置(ストレージ)です。HDDの中には、プラッタと呼ばれる磁性体が塗られた円盤(磁気ディスク)が複数枚入っています。高速回転するプラッタに磁気ヘッドと呼ばれる部品を近づけ、データの書き込み・読み出しを行うというのが、HDDでデータを保存する仕組みです。データを保存できる容量の大きいものが多く、従来は広く使われていました。

HDDのメリット

○SSDに比べて1ドライブで保存できるデータ量が大きい
HDDは、SSDに比べると大容量の製品が多いです。パソコンを使用する中で画像や音楽、動画といったデータが増えてきますが、HDDならたくさんのデータを保存できます。

○「容量単価」がSSDよりも安価
容量当たりの単価がSSDより安い点も、HDDのメリットです。同じ容量のストレージを用意する場合、HDDの方が低コストで導入できます。

HDDのデメリット

HDDを使用する際は、メリットだけでなくデメリットを知っておくことも重要です。主なデメリットとしては、以下が挙げられます。

○物理的に駆動する部品があり、構造的に衝撃に弱い
HDDは高速回転するプラッタに磁気ヘッドを近づけてデータの読み書きを行います。書き込み中に強い衝撃を受けると、プラッタと磁気ヘッドの接触により壊れてしまう恐れがあるため、落下などに注意が必要です。

○消費電力や駆動音が比較的大きい
プラッタが高速回転しているため、消費電力や駆動音がSSDに比べると大きいです。バッテリーで駆動するノートパソコンの場合、SSDよりもバッテリー消費が早くなる場合があります。

○SSDに比べると読み書きのスピードが遅め
HDDは、物理的に磁気ヘッドが移動してプラッタからデータを探すという工程を踏みます。そのため、読み書きの速度がSSDより遅くなる点もデメリットのひとつといえます。

SSDとは?

SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略で、内蔵してある半導体素子メモリ(フラッシュメモリ)によってデータの読み書きを行う記憶装置です。HDDと同様にデータを保存するものですが、物理的に駆動する部品はありません。大容量のデータを保存する媒体としては長年HDDが使われてきましたが、近年はSSDの大容量化が進んでいて、使われることも増えています。

SSDのメリット

HDDと比較した際、SSDには以下のようなメリットがあるといえます。

○衝撃に強く、消費電力や静音性に優れている
物理的に駆動する部品がないため衝撃に強く、消費電力や静音性にも優れています。ノートパソコンや小型の外付けストレージなど、持ち運びの用途に最適です。とはいえ、落としたら壊れる恐れはあるため、衝撃をできるだけ与えないようにしましょう。

○読み書きの速度が非常に速い
HDDと違い、磁気ヘッドが物理的にデータを探す時間(シークタイム)がなく、読み書きが高速で行えます。パソコンやソフトの立ち上げ、データの読み込みなどにかかる時間を短縮できます。

○HDDよりサイズが小さく、軽い
磁気ディスクではなくフラッシュメモリを搭載しているため、HDDよりサイズが小さく軽い点も魅力です。SSDの普及は、ノートパソコンの小型化・薄型化にも大きく寄与しています。また、1.8インチや2.5インチ、スティック状で基板がむき出しのM.2など、形状の自由度が高いのも特長です。

SSDのデメリット

高い性能を持つSSDですが、デメリットもいくつか考えられます。

○容量が少なく、容量単価もHDDに比べ高価
発表当初よりは大容量のものが増えてきているものの、HDDに比べると大容量のSSDは少なく、容量当たりの単価も高価です。SSDだけで大容量のデータを保存しようとすると、大きなコストが必要になる場合もあります。

○突然故障してデータの読み出しができなくなる場合がある
物理的な駆動部品がなくHDDに比べると衝撃に強い一方で、フラッシュメモリは熱や電気などに弱いです。また、SSDはその特性上データの上書きを行えないため、新しい領域にファイルを保存して、空き容量が少ない場合は既存ファイルを削除するという処理を行います。空き容量が少ないとこの面倒な処理を行う必要があり、SSDの負荷が大きくなるため故障してしまう場合があります。

HDD使用時の注意点

前述のように、HDDの稼働中に衝撃を与えるのは禁物です。磁気ヘッドは衝撃(加速度)が加わると、反動で一時的に大きくプラッタから離れます。その後、プラッタに叩きつけられ、プラッタの表面に薄くコーティングされている磁性体に傷がついてしまいます。

故障したエリアは「不良セクタ」になり、データの読み書きを行うことはできません。しかし、ここで注意したいのが、不良セクタが存在してもHDDは稼働できる点です。そのままHDDの稼働を続けると、「パソコンのデータを全く認識できない」「異音が出続ける」など、正常に作動しなくなる場合があります。また、不良セクタは経年劣化が原因で起こることもあるため、落下や衝撃に注意していても避けることはできません。不良セクタはパソコンツールで確認できます。HDDを定期的に検査し、不良セクタが増えている場合は、新しいストレージにデータを保存し直すと良いでしょう。

SSDには寿命がある?

HDDと比較して高速な転送速度を誇るSSDですが、「書き換え寿命」には注意が必要です。SSDに使われているフラッシュメモリにおいて、データを記録する最小単位をセルと呼びます。セルによるデータの読み書きの際に、フラッシュメモリ内の絶縁体が徐々に劣化し、データを保持できなくなってしまうのです。

一般的な「NAND型フラッシュメモリ」の場合、およそ1千〜1万回程度の読み書きで寿命に達します。一般的な使い方なら問題ないことがほとんどですが、毎日頻繁に大量のデータを書き換える場合はHDDを選択するのもおすすめです。

用途に応じてHDDとSSDを使い分けよう

前述のように、HDDは大容量でも安価に購入できるものが多い、一方でSSDは速度や耐衝撃性、静音性に優れているなど、それぞれ特長が異なります。パソコンやアプリの起動にかかる時間を減らしたい場合はSSDを選ぶ、たくさんのデータを保存したい場合は大容量のHDDを用意するなど、用途に適したストレージを選ぶことが大切です。

おわりに

HDDとSSDは、データを保存するという用途は同じですが、構造や特長はそれぞれ異なります。容量や価格、適している用途も異なるため、それぞれの特長をよく理解したうえで、目的に合ったものを使用しましょう。本記事の内容を、新しいパソコンや外付けストレージを購入する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

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