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SSDに使われるMLCとは? SLCやTLC、QLCとの違い

SSDに使われるMLCとは? SLCやTLC、QLCとの違い

SSDは、データの読み書きがHDDより高速、衝撃に強く動作音も静かなど、さまざまなメリットを備えている便利なストレージです。しかし、実際にどのような仕組みでデータの保存を行っているのか、詳しくご存知ない方も多いかもしれません。この記事では、SSDの基本的な構成と、SSDの寿命に大きく関係するNAND型フラッシュメモリについてご紹介します。

SSDの構成

一般的なSSDは主に、コントローラ、DRAM(キャッシュメモリ)、NAND型フラッシュメモリという3つの部品から構成されています。コントローラはメモリへのデータの読み書きを制御する部分で、DRAMはデータを一時的に保存しておく場所です。ただし、DRAMはデータ処理を高速化する点では有効ですが、必須の部品ではないので、製品によっては搭載されていないこともあります。

そして、実際にデータの読み書きを行うのが、NAND型フラッシュメモリと呼ばれる部分です。電源が入っていない状態でもデータを保存しておける、不揮発性メモリの一種に数えられます。SSDの寿命にあたる「書き換え回数の上限」に関わる重要な部分です。

SSDのNAND型フラッシュメモリの種類

SSDのNAND型フラッシュメモリは、「セル」と呼ばれる部分にデータを保存していて、セルに記録できる容量から、SLC、MLC、TLC、QLCの4種類に分けることができます。ここでは、それぞれの特長をご紹介します。

SLC(シングルレベルセル)

1つのセルに対して、1ビットの情報を保存できるフラッシュメモリがSLCです。セルには0または1のみを格納する形式で、正確性や信頼性、耐久性に優れています。寿命にあたる書き換え可能回数は、9万〜10万回ほどです。

寿命はNAND型フラッシュメモリの中で最も高いとされていますが、1セルに格納できるデータが少ないため、容量は多くありません。また、物理的なサイズも大きくなりがちで価格も非常に高価と、一般ユーザー用途には不向きです。主に企業向けの製品で採用されています。

MLC(マルチレベルセル)

1つのセルに対して、2ビットを保存できるフラッシュメモリです。00・01・10・11を使ってデータの記録を行います。データ密度がSLCよりも高く大容量なのが特長で、価格・性能・耐久性のバランスに優れているのがメリットです。

ただし、SLCに比べると寿命は短く、書き換え可能回数は8,000〜1万回ほどとされています。これは、1つのセルの中に入れる情報量が増えることで、セルの読み書き頻度が上がるためです。一般ユーザー向けをはじめ、市場に出回っている多くのSSDに採用されています。

TLC(トリプルレベルセル)

1つのセルの中に3ビットの情報を入れられ、000から111までを使ってデータを記録するフラッシュメモリです。MLCよりもさらに大容量になりますが、同時に寿命が短くなり、書き換え可能回数は3,000〜5,000回程度とされています。耐久性には劣りますが、価格が安価で大容量な点が特長です。

QLC(クアッドレベルセル)

1セルに4ビットの情報が保存可能なフラッシュメモリで、0000から1111までを使ってデータを記録します。TLCよりさらに低価格かつ大容量を実現しているものの、1セルあたりの書き換え可能回数は500〜1,000回程度と、耐久性は最も低いです。寿命は短くなりますが、安価なSSDを探している場合には検討してみても良いでしょう。

併せて覚えておきたい3D NAND

従来使われていた2D NAND型フラッシュメモリは、縦横の平面方向にデータ保存用のセルが並べられている内部構造でした。メモリセルを小さくすることで大容量化を図っていましたが、同時に信頼性の低下を招くというデメリットがありました。

そこで、大容量化と信頼性の確保を両立させる解決策として誕生したのが、寸法の異なるセルを垂直に積み重ねてデータ容量を増やす3D NANDです。メモリセルの大きさを変えずに大容量化が可能なため、性能と信頼性のバランスにも優れています。

2D NANDは狭い部屋がたくさんある平屋の住宅、3D NANDは適度な広さの部屋がいくつも重なった高層ビルと考えると、それぞれの違いがわかりやすいのではないでしょうか。

おわりに SSDはMLC採用のものがおすすめ

SSDに内蔵されるNAND型フラッシュメモリは、SSD製品の寿命や性能、価格に大きく影響を与えている部分です。しかし、いくつかの種類に分けられていて、どのNAND型フラッシュメモリを備えたSSDを選べば良いのかわかりにくいかもしれません。

一般ユーザーの方であれば、性能と耐久性、価格のバランスが取れている、MLCのNAND型フラッシュメモリを搭載したSSDがおすすめです。ただし、MLCのNAND型フラッシュメモリを用いたSSD製品は、一般ユーザー向けとしては高価格帯に当たります。SSDの用途によっては、安価なTLCやQLCを選択するのも良いでしょう。

用途にあったSSDを選ぶために、SSDに搭載されているNAND型フラッシュメモリの種類にも注目してみてはいかがでしょうか。

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