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USB PDとは?充電規格の特長や使用時の注意点を解説

USB PDとは?充電規格の特長や使用時の注意点を解説

現在発売されているスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど、多くの機器がUSBポートを経由した充電に対応しています。近年は、USB‐Type‐C(TM)のポートを備えた機器が増えてきました。USB‐Type‐C(TM)は、上下に関係なく接続できることに加えて、USB PDに対応している製品がある点もメリットです。この記事では、USB PDの具体的な機能や、どのようなメリットを備えているかをご紹介します。

USB PDとは

USB PDとは、対応するUSB‐Type‐C(TM)ケーブルとポートを経由して行える、電力供給の規格です。PDは「Power Delivery」の略です。

従来のUSB‐Aのポートで供給可能な電力は、「USB Battery Charging 1.2(USB BC 1.2)」規格で最大7.5W(5V・1.5A)でした。しかし、USB PD対応のUSB‐Type‐C(TM)なら最大100W(20V・5A)の電力供給を行うことが可能です。また、PPSという拡張機能が搭載されていることもあり、PPS対応機器には最適な電力供給を行えるようになっています。

USB PDの特長

USB PDに対応しているデバイスやUSB‐Type‐C(TM)ケーブルを使用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、USB PDが持つ主な特長をご紹介します。

急速充電が行える

USB PD対応のUSB‐Type‐C(TM)ケーブルには、CC(Configuration Channel)という充電専用の信号ラインが搭載されています。USB PD対応機器を対応充電器に接続すると、充電器とデバイスの間で通信が行われ、充電器側で最適な電力供給量が選択されます。この仕組みによって、自動的に急速充電を行うことが可能です。

多くの機器に給電可能

USB PDでは、5V、9V、15V、20Vの4つの電圧に対応した電力の供給を行えます。スマートフォンや外付けHDD/SSDなどの充電だけでなく、ディスプレイやノートパソコンなど、比較的大きな電力が必要な機器への電力供給も可能です。

従来は各種デバイスで別々の給電用のACアダプタを使う必要がありましたが、ひとつの電源でさまざまなデバイスに給電できる点もUSB PDのメリットといえます。

双方向に電力を送れる

USB PD対応のUSB‐Type‐C(TM)ケーブルは、電力供給側と受給側を入れ替える「ロールスワップ」が行えるのも特長です。

たとえば、USB PD対応のノートパソコンとディスプレイをUSB PD対応のケーブルで接続している時、ACアダプタがパソコンに接続されている場合は、ノートパソコンからディスプレイ側へ電力が供給されます。逆に、ディスプレイがACアダプタに接続されているのであれば、ディスプレイからノートパソコンへ電力供給を行えるという機能です。

消費電力が余っている場合は、複数のデバイスをUSBケーブルで数珠つなぎにすることでそれぞれに電力供給を行えるなど、柔軟な使い方ができるようになります。

ビデオ信号が伝送可能な場合も

USB PD対応のUSB‐Type‐C(TM)ポートには、「オルタネートモード」という機能を備えているものもあります。オルタネートモードを使うことで、映像信号もUSBケーブル経由で伝送を行えます。

たとえば、オルタネートモード対応のUSB‐Type‐C(TM)ポートを備えたパソコンとディスプレイをUSB‐Type‐C(TM)ケーブルで接続すれば、電力供給と映像出力が1本のケーブルで済ませることが可能です。

USB PDが使用できない場合

USB PDで充電を行いたい場合は、ACアダプタまたはモバイルバッテリー、ケーブル、接続するデバイスの端子のすべてが、USB PDに対応している必要があります。どれか1つでも未対応のものがある場合は、USB PDの機能は使用不可能です。

すべてのUSB‐Type‐C(TM)ケーブルが、USB PDに対応しているわけではない点にも注意しましょう。USB2.0や3.0といった規格も、USB PDに対応しているか否かには関係がありません。

また、すべてのデバイスがUSB PDに対応している場合でも、充電器側の出力が小さすぎると急速充電が行われません。消費電力が大きいデバイスに、最大出力の小さいUSB PD対応充電器を接続しても、デバイスに認識されないか正常に充電されないことが考えられます。

おわりに USB PD対応製品を活用しよう

USB PD対応の製品を活用すれば、急速充電や幅広いデバイスへの給電を行えるようになります。デバイス周りの利便性をより高められるでしょう。ただし、USB PDを活用するには、すべてのデバイスがUSB PDに対応していなければなりません。充電器の出力によっては、正常に使えない可能性がある点にも注意が必要です。USB PDの概要について知っておき、より便利で柔軟に使用できるようにパソコン・スマートフォンの環境を整えてみてはいかがでしょうか。

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