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NVMeとは?NVMe対応M.2 SSDの特長を徹底解説

NVMeとは?AHCIやPCIeとの違い、NVMe対応SSDの特徴を徹底解説

SSD製品を選んだり探していたりしている際に、「NVMe」や「M.2」という単語を見かけた経験がある方も多いはずです。しかし、NVMeとはどのようなものかを正しく理解できている方は、意外に少ないかもしれません。そこで今回は、NVMeがどのようなものであるかを解説しつつ、同時によく見かける「M.2」や「SATA」、「PCIe」などについても詳しくご紹介します。
※この記事は2022/10/6に再編集しました。

NVMeとは

NVMe(エヌブイエムイー)とは「Non-Volatile Memory Express」を略した呼び名です。SSDをはじめ、不揮発性メモリを使用したフラッシュストレージのために最適化された通信プロトコル(異なるデバイスが通信する際の手順やルールのこと)を指します。

従来使われていたSATA(AHCI)規格では転送速度の限界が来ていたことから、フラッシュストレージによる通信に最適化することを目的に作られました。NVMeは、従来の通信プロトコルであるAHCIと比較し、「4KBのデータを転送する際、従来は2つ必要であったメッセージが1つだけで済む。」「コマンド処理のためのキューが従来の1個から65,536個へ大幅に増えている。」のような点について改良が行われているのが特長です。

コマンド処理のキューが増えているため、ディスクI/O(データの読み書き操作)を一挙に多数同時処理するようなサーバーなどに用いた場合は、大幅な処理の高速化が見込めます。より簡潔にいうと、データの読み書き速度が従来のAHCIよりも非常に速いのがNVMeです。サーバー以外でも、より高速なデータ処理が求められる人工知能(AI)や、機械学習用のストレージ、市販のSSDなどにおいても、NVMeが活用される機会が多くなっています。

NVMe採用のSSDの種類

NVMeを採用したSSDは、形状からいくつかの種類に分けることができます。NVMe採用のSSDの種類と、それぞれの特長をご紹介します。

M.2

M.2(エムドットツー)とは、SSDの接続端子について定めた規格の名称です。mSATAという規格の後継で、パソコンの基板(マザーボード)上にあるスロットに直接取り付けて使用します。

M.2 SSDの大きさは幅22mm、長さ80mmの「Type2280」が主流ですが、幅22mmで長さ60mmの「Type2260」や、幅22mmで長さ42mmの「Type2242」といった種類も見られます。

また、端子形状もM-KeyやB-Key、B&M-Keyなどの種類があり、それぞれ端子の切り欠きの位置が異なるため注意が必要です。サイズが小さいことから小型デバイスのストレージに適しており、近年はM.2 SSDを採用するノートパソコンやゲーム機も増えてきました。「M.2を採用したSSDは高速」といわれることもありますが、一概にそうとは限りません。

SATA接続を採用したM.2 SSDの場合、転送速度は従来の2.5インチSSDなどと同様に、実行転送速度は600MB/s程度になるためです。厳密にいうと、高速なSSDを使いたい場合は「NVMeを採用したM.2 SSD」を選ぶ必要があると考えると良いでしょう。

U.2

U.2(ユードットツー)は、2.5インチSSD向けに作られた接続端子の規格のひとつです。NVMeの接続規格であるPCIe以外に、SATAやSASといったインターフェイスにも対応していて、機器を稼働させた状態のままケーブルを抜き差しするホットスワップも行うことができます。

ただし、2.5インチとM.2に比べてサイズが大きいため、用途はサーバーなどに限られます。一般的な用途のパソコンで見かけることは、ほぼないといえるでしょう。

NVMeとSATAの違い

M.2 SSDには、SATAを採用しているものもあります。NVMeとSATAの違いを覚えておくと、SSDを購入する際などに役立ちます。SATAは「Serial ATA」の略で、HDDや光学ドライブなどを接続するための「接続規格」のことです。

NVMe採用のSSDは、SATA接続のSSDよりも性能に優れている反面、発熱量や消費電力も増加する傾向にあります。SATAはNVMeよりも性能面で劣りますが、消費電力や発熱量は小さく、価格もNVMeより安いです。また、NVMeとSATAに互換性はありません。SATA SSDを搭載しているパソコンにNVMeのSSDを接続するといったことはできないため注意しましょう。

NVMeと併せて覚えたいPCIeやAHCI

SSD製品について調べていると、NVMeとともに「PCIe」や「AHCI」などの用語も同時に目にする機会が多いはずです。ここでは、NVMeに関連する用語についてご紹介します。これらの規格の名称についてある程度知っておくことで、SSDを選ぶ際もその知識が役に立つでしょう。

PCIeは接続規格のこと

PCIeとは、SATAと同様に拡張バスや拡張スロットの接続規格を指す名称です。「Peripheral Component Interconnect-Express」を略した呼び名で、SSDに限らずメモリの接続方式としても普及しています。NVMeが通信プロトコルとして採用されているSSDの接続規格は、PCIeとなります。「PCIe3.0×NVMe接続のSSD」などのように紹介されているので、この呼び名を知っておくとデータ処理速度にこだわってSSDを選びたい際には役立つでしょう。

AHCIはNVMeと同じく通信プロトコル

AHCIとは「Advanced Host Controller Interface」の略称で、SATA接続のHDDに最適化された通信プロトコルです。前述のように、NVMeはコマンド処理のためのキューを65,536個持ちますが、AHCIはキューが1つしかないなど、NVMeと比較すると性能は劣ります。また、AHCIはあくまでSATA接続に最適化された通信プロトコルです。SATA接続のSSDも見られますが、SSDをはじめとしたフラッシュストレージのデータ処理速度を向上させる役割は持っていません。

PCIe接続でNVMeのM.2 SSDがもっとも高速

データ転送速度の速いSSDを使用したい場合には、PCIe接続で通信プロトコルとしてNVMeを採用しているM.2 SSDを選ぶ必要があります。規格の世代(Gen)によってデータ転送速度は異なり、製品によっては最大7000MB/sもの速度を出すことも可能です。従来のSATA接続を採用したSSDの転送速度は600MB/s程度ですから、10倍以上の速度を出せる可能性もあります。

PCIe(NVMe)接続のM.2 SSDは発熱に注意

PCIe(NVMe)接続のM.2 SSDは、SATA接続の2.5インチSSDに比べてコンパクトな形状で、高速なデータ転送が行えるのが魅力です。しかし、高性能な分消費電力や発熱量は大きくなってしまいます。

SSDの温度が高くなりすぎると、読み書き速度を落として熱暴走を回避する「サーマルスロットリング」と呼ばれる機能により、性能が低下する場合があります。PCIe(NVMe)接続のM.2 SSDの性能をより引き出したい場合は、ヒートシンクなどを活用した熱対策を行うことが重要です。

また、PCIe(NVMe)接続のM.2 SSDは新しい規格なので、古いパソコンでは使用できない可能性があるのも、注意点といえます。パソコンの内蔵ストレージの換装を考えている場合は、採用している接続規格も確認しておきましょう。

データの記憶方式は速度に関係ある?

SSDを探しているときに、「SLC」や「MLC」などの単語を見かけた経験がある方も多いことでしょう。SLC、MLCとは、セル(データを保存する場所)1つにつき格納できるデータの容量を表すものです。

「SLC」は、セル1つあたり1bitの情報しか保存できませんが、その代わり不具合の発生が少なく耐久性に優れている点が特徴です。それに対して「MLC」や「TLC」、「QLC」は、1つのセルにより多くの情報を保存することが可能ですが、データの劣化や不具合がSLCと比較して発生しやすいというデメリットがあります。

一般的には、その他の条件が同じ場合は、SLCがもっとも速度が速く、1セルに記録する情報量が多いMLCやTLCの方が低速になるとされています。SSDの耐久性や信頼性にも関係する部分なので、購入時に確認すると良いでしょう。

おわりに NVMe採用のM.2 SSDでデータ処理を快適に

優れた処理能力を持った通信プロトコルであるNVMeは、SSDの全体的な機能を向上させるうえで大きな役割を果たしているといえます。できるだけ高性能・高機能なフラッシュストレージを選びたいという場合には、NVMeを採用したSSDを選ぶと良いでしょう。ただし、高性能なSSDはその分発熱量も増加する傾向にあります。使用する際は、ヒートシンクなどの発熱対策も欠かさず行うことが大切です。

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