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サーマルカメラ導入前に知っておきたい「温度測定」の基礎知識

サーマルカメラ導入前に知っておきたい「温度測定」の基礎知識

多くの施設や店舗で、新型コロナウイルス感染拡大防止対策が行われています。その中で手指の消毒やマスクの着用と並び重要なのが、体温を測る「温度測定」です。新型コロナウイルス感染症を例とした場合、温度測定結果が37.5℃を超えていると詳しい検査を受ける目安とされています。
近年は人との距離を保てるなどの理由から、サーマルカメラを使った非接触での温度測定方法が一般化してきました。しかし間違った方法で温度測定を行うと正しい値が測定できず、意味をなさない恐れがあります。
そこでこの記事では温度測定の基礎知識と、サーマルカメラを使った正しい温度測定方法についてご紹介します。お店や施設内の感染防止対策に、ぜひお役立てください。

温度測定の基礎知識

体温計などの計測機器を使用して、自身の体温を確認する「温度測定」。日課としてなんとなく行っている方も多いかもしれませんが、正しい方法で行わなければ効果を発揮することができません。ここでは温度測定時に注意したい、体温の測り方の基礎知識をご紹介します。

測定する部位で体温は異なる

人間の体温は体の表面や内部、部位などによって異なります。臓器の働きを保つ必要がある体の内部ほど体温は安定していて、体の末端や表面は環境による変化などを受けやすく不安定です。

体表面の温度は、内部の体温と比較して低い数値になるといわれているため、内部の体温に近い温度を測定しやすい部位で温度測定を行うことが大切です。また、体の部位ごとに平熱は異なるので、それぞれの平熱を知っておく必要もあるでしょう。

1日の間で体温は変化する

朝・昼・夜と、1日の中でも人の体温は細かく変化しています。一般的に早朝がもっとも低く、夕方付近がもっとも高いです。また食事や運動の後は特に体温が上昇しやすく、他にも外気温や感情の変化、睡眠時間などによる影響もあるとされています。

1日の体温の変動幅は約1℃にもなるとされるので、日々の体温測定で変化を比較するためには、1日のうちでもある程度近い時間帯・環境の中で温度測定を行うことが大切です。

体のどこで温度測定するのが正解?

温度測定を行う体の部位としては、体内の温度が反映されやすいワキや口の中、耳(鼓膜)などが挙げられます。しかし口の中での測定は衛生面に不安がありますし、耳は人によって形状が異なり体温計の使用が難しいことから、日本ではワキや非接触で温度測定可能なおでこ(額)で計測する方法が主流です。次からは、ワキとおでこで体温を計測する際のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。

ワキの体温測定

電子体温計を使ったワキでの温度測定は、日本でもっとも広く普及している方法です。体温の上がり方を電子体温計が分析、予測して測定を行います。計測時間は長くとも数分で済み、正確性も高い方法とされています。

ただし、体温計をワキに当てる角度や位置で、計測温度が変わる可能性がある点がデメリットです。また使用する体温計によって、計測に必要な時間も異なります。

おでこの体温測定

ハンディタイプの非接触体温計やサーマルカメラなどを活用し、おでこから照射される赤外線によって体の表面温度を計測する方法です。非接触で測定が行えて、体温計をワキに当てて測定するよりも速く結果を確認できるなど利便性が高く、近年は施設の入り口などで行われているケースが増えています。

その反面、赤外線によって温度を計測するため、日差しや気温など周囲の影響を受けやすく、体温測定の信頼度自体はワキで行う方法のほうが高いです。

ワキで測定する際とおでこで測定する際の違いを知ったうえで体温を測り、測定結果を活用する必要があるといえるでしょう。

サーマルカメラで温度測定を行う際の正しいやり方

サーマルカメラは、体から出る赤外線を読み取って表面温度を算出しています。使い方を間違えると誤った測定結果が表示される恐れがあるため、正しい測定値を得るには、正しい方法で温度測定を行うことが大切です。ここでは、サーマルカメラを使用した正しい温度測定方法をご紹介します。

外部環境の影響を受けにくい場所に設置する

サーマルカメラを使った温度測定方法は、気温や風、湿度など外部環境の影響を受けやすいとされています。外気の影響を受けにくい場所に温度測定器を設置したり、屋外から来た人は少し時間をおいてから体温測定を実施したりといった工夫が必要です。

動線を考えて運用する

サーマルカメラに人が近づきすぎると、温度が高く表示されてしまう場合があります。このため推奨される測定距離より近づきすぎないよう、人の動線を考えて設置や運用を行うことも大切です。

通常の体温計も併用する

サーマルカメラで調べられるのは体の表面温度で、体内の温度を正確に測れるわけではありません。また体の表面温度と体内温度は、サーマルカメラの設置場所や人がおかれた環境次第で大きな差が出ることもあります。

サーマルカメラで発熱を検知した人には別室でワキによる体温測定を行うなど、通常の体温計も併用して温度測定の確度を高めると、より効果的に運用できます。

おわりに 正しい方法でサーマルカメラを運用しよう

感染対策のためにサーマルカメラを導入しても、運用する人が温度測定に関する知識を持っていなければ、間違った使い方をしてしまう恐れがあります。また体温は計測するタイミングが重要である点や、測定方法ごとの特性を理解したうえで、それらの手段の限界を知って使用することが大切です。正しく温度測定を行って有効な感染対策の一環とするために、温度測定に関する知識やサーマルカメラの正しい使い方を知り、感染症対策などに役立てましょう。

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