HDD/SSDの容量を分けられる「パーティション分割」のメリット・デメリット

1台のHDDやSSDは、パソコン上では1台のHDD/SSDとみなされます。例えば、HDD/SSDが1台接続されると「Cドライブ」という1台のHDD/SSDとして認識され、もう1つをつなげると「Dドライブ」という2台目のHDD/SSDとして認識されるのが基本です。ところが「パーティション分割」を使うと、1台のHDD/SSDを2つのドライブのように認識させられるようになります。
では、パーティション分割を行うことで、ユーザー側に何か利点はあるのでしょうか。ここでは、パーティション分割のメリット・デメリットと、具体的なやり方を解説します。
※この記事は2026/6/12に再編集しました。
目次
HDD/SSDと「ドライブ」の関係

実は、HDD/SSDはそのままではデータを読み書きできません。HDD/SSDにデータを読み書きするには、フォーマットを行う必要があります。こうして読み書きが可能になったHDD/SSDが「ドライブ」です。Windowsでは、複数のHDD/SSDを装着しても区別ができるように、ドライブに「C」や「D」といった文字(ドライブレター)がつきます。
フォーマットはパソコンやストレージのメーカーが済ませていることが多く、利用者が行う機会は少ないかもしれません。
1台のHDD/SSDに複数のドライブを作る「パーティション」機能

前述のとおり、1台のHDD/SSDには1つのドライブを作成して使うのが基本です。しかし、HDD/SSDの内部を複数の領域に分割して、複数の独立したドライブとすることもできます。1つのストレージを複数の領域に分割して、それぞれを独立したドライブとして扱うのが「パーティション」です。
例えば、内蔵HDD/SSDを3つのパーティションに分割すれば、内蔵ストレージが1つしかないパソコンでも、「Cドライブ」「Dドライブ」「Eドライブ」という3つのドライブを利用できるようになります。

自分のパソコンのHDD/SSDがパーティション分割されているかどうかは、Windowsに搭載されている「ディスクの管理」から確認可能です。Windows 11の場合は、スタートボタンを右クリックして「ディスクの管理」をクリックすると起動できます。

上の画像が、パーティション分割されているドライブの例です。実際に内蔵されているのは「ディスク0」として認識されている119.12GBのSSDで、その中に107.53GBの「Cドライブ」が作られています。右の画面では、85.11GBの「Cドライブ」と20GBの「Dドライブ」の2つのパーティションに分割されています。

※画像1

※画像2
パーティション分割されていない場合、エクスプローラーではCドライブ1つだけが表示されます(画像1)。パーティション分割を行うと、1台のHDD/SSDしか内蔵していなくても「Cドライブ」と「Dドライブ」が表示され、あたかも2台のHDD/SSDを内蔵しているかのように使うことが可能です(画像2)。
また、上記の「ディスク管理」画面のように、「ディスク0」の中には、「Cドライブ」「Dドライブ」以外にもいくつかのパーティションが存在していることがあります。これらは、パソコンにトラブルが発生した際の復旧作業や、初期化を行うために必要なアプリやデータが記録されている領域で、エクスプローラーや一般的なアプリからは読み書きできません。無駄な領域が作られているわけではないので、誤って消去してしまわないように注意しましょう。
パーティション分割をするメリット

パーティション分割を行わなくても、パソコンを問題なく使うことはできます。パーティション分割を行うことで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。複数のドライブを作るメリットとしては、次の点が挙げられます。
管理が簡単になる
パーティション分割を行う一番のメリットは、OSなどをインストールしておく「システム用ドライブ」と、データを保存する「データ用ドライブ」を分けられる点です。
システムやデータを種類ごとに分けて整理することで、見た目もわかりやすくなります。
また、HDDの場合はデータがさまざまな場所に保存されて読み書きの速度が低下する「断片化」が起こりにくくなり、パソコンの速度改善につながる点もメリットです。
データを守りやすくなる
大切なデータを守りやすくなるのも、パーティション分割を行うメリットのひとつです。
例えば、パーティション分割を行っていない内蔵ストレージでトラブルが発生し、OSのクリーンインストール(データを全消去してインストール)が必要になったとしましょう。文書や写真、動画など、Cドライブに入っているデータは、クリーンインストールと同時に全て消えてしまいます。残しておきたいデータがある場合は、事前に他の外付けHDD/SSDなどにバックアップしなければいけません。
しかし、パーティション分割で「Cドライブにシステム」「Dドライブにデータ」という使い分けをしておけば、作業の影響はCドライブ内に保存しているシステムに限られ、Dドライブのデータはそのまま残ります。
読み書きのトラブルに強くなる
読み書きのトラブルに強くなる点もメリットです。各ドライブには「管理領域」があり、この部分が破損するとドライブ全体が読み書きできなくなってしまうことがあります。HDD/SSDを1つのドライブとして使っている場合、管理領域が壊れてしまうと全てのデータが読み書き不能になってしまうのです。
一方、パーティション分割を行っておけば、1つのドライブの管理領域に不具合が起きても他のドライブは正常に動作するため、全体への影響を防ぐことができます。
パーティション分割をするデメリット

パーティション分割にはデメリットもあります。一番のデメリットは、容量を効率的に使えない点です。例えば、1TBの内蔵ストレージを、システム用のCドライブ(800GB)と、データ用のDドライブ(200GB)に分割したとしましょう。
写真や動画、音楽データなどは、一般的にはデータ容量が大きくなりがちです。データ用のドライブ領域が小さいと、すぐに容量がいっぱいになってしまう可能性があります。だからといって、Cドライブにも音楽などのデータを保存していては、管理が煩雑になるうえに、システムとデータでドライブを分けた意味もありません。
また、容量が小さなストレージはパーティション分割を行うと「容量が大きなデータを保存できない」という事態が発生する場合があります。
パーティション分割は必要ない?

近年は大容量の内蔵ストレージが増えているうえに、内蔵ストレージを2つ以上取り付けたり、外付けストレージも併用してデータを管理することが増えています。さらに、SSDはランダムアクセスのスピードに優れているため、HDDのように断片化によって速度が大きく落ちることはありません。
そのため、パーティション分割を行う必要性やメリットは、昔に比べると低下しているといえるでしょう。
パーティション分割をする方法
パーティションの分割は、Windowsの「ディスクの管理」から行うことができます。具体的には、既存のドライブ(があるパーティション)の大きさを縮小して空き領域を作り、新しいドライブを作るという流れです。
ただし、パーティションの分割・変更操作には、操作を誤った際にパソコンが起動しなくなる、保存していたデータが消えるなどのリスクがあります。必ず事前にバックアップを済ませたうえで、作業は自己責任で行ってください。

【パーティション分割のやり方】
- タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして「ディスクの管理」を選択する
- 分割したいドライブを右クリックして「ボリュームの縮小」をクリックしたら、縮小するサイズを入力して「縮小」をクリックする

注意したいのが、ドライブに100GBの空き領域があったとしても、100GBの新しいパーティションを作れるとは限らない点です。空き領域のどこかに移動できないファイルが記録されていると、分割できるのはそのファイルより後ろの領域だけになります。
そのような場合には、移動できないファイルを移動させて空き領域をまとめる、専用のパーティション分割ツールを使う必要があります。
おわりに パーティション分割は用途に応じて検討しよう
HDD/SSDをパーティション分割すると、1台のHDD/SSDを2つ以上ドライブとして使うことができます。しかし、うまく容量を配分しないと無駄な領域ができてしまい、効率的にディスクを使えなくなってしまうというデメリットもあります。パーティション分割は、明確な目的を持って行いましょう。また、パーティション分割を安全に行うには専門的な知識が必要になります。どうしてもデータ用ドライブを作成したい場合には、パーティション分割ではなく、外部にもう1台ドライブを増設するのも1つの方法です。
「パーティション分割」に関連するよくある質問
CドライブとDドライブを分ける必要性は?
一般的にはシステム(C)とデータ(D)を分けて保存することで、データ復旧やバックアップがやりやすくなるというメリットを得られます。ただし、片方のパーティションが容量不足になっても、もう片方の空き容量を直接使えず容量の無駄が生じることがあるなど、デメリットもある点には留意してください。
2つの内蔵ストレージをCドライブ・Dドライブとして使う効果は大きいものの、1つの内蔵ストレージをパーティション分割して2つのドライブにするかどうかは、状況に左右されます。
パーティションを分割する際の注意点は?
パーティションを分割する際に、保存していたデータが消えてしまうリスクがあります。また、容量の分け方を誤ると「容量が足りない」「容量が余りすぎてしまった」など、使いにくさを感じることがある点にも注意が必要です。
パーティション分割は本当に必要?
パーティション分割は、必須というわけではありません。特に、複数台のストレージを活用している場合は、パーティション分割を行う必要性は低いといえるでしょう。
複数のOSを入れておきたい、用途ごとに明確にデータを分けて管理したいなど、特別な理由がある場合は分割した方が便利に使える可能性があります。
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