デュプリケーターとはどんな機械?その機能と使用するメリットとは

光学メディアやHDDなどに保存されたデータをコピーする作業は、データの容量が大きくなるほど長い時間を要するものです。パソコン本体に保存したデータをバックアップする際に、何時間もかかったという経験を持つ人も多いでしょう。そのような際に役立つ機器が「デュプリケーター」です。どのような機器なのか分からない、初めて聞いたという方も少なくないかもしれません。この記事ではデュプリケーターの機能や使用するメリットについてご紹介します。
目次
デュプリケーターとは
デュプリケーターとは「複製機」という意味の言葉で、パソコンや各種メディアなどの外部記憶媒体に保管されているデータをコピーする作業に特化したデータコピー専用機器のことです。例えばHDD内に保存された大量のデータをコピーしたい場合や、自作の音楽・映像データを配布するなどの目的で、何枚ものDVDやCDに同じデータをコピーしたい場合に役立ちます。
デュプリケーターにはHDD内にあるデータのコピーに特化した「HDDデュプリケーター」や、DVDやCD、Blu-rayのコピーに特化したもの、USBメモリ、SDカードやコンパクトフラッシュに対応しているものなど、多くの種類があるのも特徴です。そのため、コピーに使用したいメディアや用途に合わせて、適切なデュプリケーターを選ぶ必要があります。
デュプリケーターを使うメリット
デュプリケーターは「データコピー専用機器」ですが、コピー作業自体はパソコンでも行うことができます。データコピーに、パソコンではなくデュプリケーターを使用することにどのようなメリットがあるのでしょう。ここでは、コピー作業にデュプリケーターを用いることのさまざまなメリットについてご紹介します。
コピー時間を短縮できる
パソコンでもデータコピーは行えますが、データの容量によっては非常に長い時間を要する場合があります。また、複数枚のCDやDVDにデータをコピーする必要がある場合、1枚ごとにディスクを出し入れして、その都度ソフトを操作してコピーを実行しなければならないなど、コピー作業は時間と手間がかかります。
その点、デュプリケーターはデータコピー専用機器なので、HDDなどにイメージファイルを作らずに、データを直接ディスクに書き込むオンザフライ方法でコピーを行います。そのため外付けHDDやUSBメモリをパソコンに接続してコピーするよりも高速なコピーが可能です。ターゲットドライブを多く搭載し、複数枚のディスクへ一度にデータをコピーできる製品も多く、その場合は書き込みのたびにソフトを操作する必要がないため、コピー中に他の作業を行うこともできます。
デュプリケーターによるコピーの手順ですが、基本的にはコピー元のメディアとコピー先のメディアを接続し、本体のボタンを押すだけで作動します。パソコンでデータコピーをするよりも操作が簡単で使いやすい点もデュプリケーターの魅力です。
パソコンを立ち上げる必要がない
デュプリケーターは完全に独立した機器なので、使用する際はパソコンを立ち上げる必要がありません。もしパソコンが不調で使用できない状況にあっても、パソコンからHDDを取り出すことさえできれば、HDD内のデータコピーが行えます。前述のコピー時間短縮と併せて、パソコンの買い替えによるストレージ内のデータ移行や、バックアップのためにデータを複製する際にも便利です。
製品によってはさまざまな機能が搭載されている
対応メディアごとにタイプが分かれるデュプリケーターですが、製品によってはコピー作業以外にもデータ消去やリカバリー、故障の解析や検査など、さまざまな機能が搭載されています。
多機能なデュプリケーターなら、例えばパソコンがHDDを認識しないなどのトラブル時にも役立ちます。また、光学メディアを収納できる全自動のデュプリケーターなら、メディアの入れ替えを機器が自動で行うため、自分が他の作業を行っている間、コピー作業はデュプリケーターに任せるといったことも可能です。