ストレージの意味とは?種類ごとの特長をわかりやすく解説

パソコンやスマホといったデバイスを使用する際、設定画面などで「ストレージ」という言葉を目にする機会が多いかと思います。しかし具体的に、ストレージとはパソコンやスマホのどの部分を指し、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。この記事では、ストレージという言葉の意味や、パソコンやスマホで利用できるストレージの種類についてご紹介します。
目次
ストレージの意味
ストレージ(storage)とは、英語で「貯蔵」や「保管」、「倉庫」といった意味を持つ単語です。パソコンやスマホなどのデバイスにおいては、データを長期間保管可能な記憶媒体のことをいいます。
パソコンに内蔵されているHDDやSSD、本体に接続して使うUSBメモリ、ドライブで読み込むDVDや磁気テープ、Androidスマホで使用するmicroSDカードなど、データを保存できるものはすべてストレージに分類されます。
デバイスには、「メモリ」と呼ばれる記憶媒体も備えられています。ストレージと混同されることも多いですが、メモリ(RAM)とは、CPUが処理するデータを一時保管する場所のことです。「書類(各種データ)を広げて作業する机」に例えることができます。
どちらもデータを保存する場所という点は同じですが、ストレージは長期間データを保管する場所で、メモリは作業のために一時的にデータ保存を行う場所という点で、大きく異なっています。
【メモリとは】
デバイスの動作に関わるデータ処理を行う作業領域のことです。作業用の机に例えられることもあり、容量が大きいほど快適にデバイスを使用できます。ただし、メモリはストレージと異なり短期的な保存しかできず、電源を落とすと保存されていたデータは消えてしまいます。
ストレージはメモリと比較して、処理速度は遅いものの容量が大きく、データを長期的に保存できる点が特長です。メモリと同様に例えるのであれば、ストレージは机の引き出しや収納用の箱となります。
ストレージの種類
ストレージは、データの保存場所やそれぞれの特長によっていくつかの種類に分けられます。ここでは、それぞれの特長についてご紹介します。
内部ストレージ
パソコンやスマホなどの各種デバイスに、はじめから搭載されているストレージが内部ストレージです。パソコンの場合は内蔵HDDやSSD、スマホやタブレットにはフラッシュメモリが使用されます。
HDDは大容量ながら価格の安い製品が多く、SSDはデータの読み書きを高速に行えるというメリットがあります。スマホやタブレットなどに使われるフラッシュメモリは、容量の少ない製品が多い半面、HDDやSSDよりサイズをコンパクトに抑えられるのが特長です。
これらの内部ストレージを脱着するには、デバイスの内部を触る必要があります。自分だけで内部ストレージを交換するためには、デバイスに関する知識が必要です。
外部ストレージ
各種デバイスにUSB接続などで取りつけて使うストレージが外部ストレージです。パソコンではUSBメモリや外付けHDD、外付けSSDを、スマホやタブレットではmicroSDカードを使用することが多いです。
着脱が簡単で、外部ストレージ内に保存したデータは複数のデバイスで共有できるなどのメリットがあります。
オンラインストレージ
インターネットを経由して、サービスが設けたインターネット上のサーバーにデータを保管できるストレージのことです。クラウドストレージと呼ばれることもあり、代表的なものとしてGoogleドライブやiCloud、DropBox、OneDriveなどが挙げられます。
多くのサービスが無料または月額制(サブスクリプション)で提供されていて、自身でストレージを用意する必要がないため、導入コストが少なく済みます。アカウントを取得しておけば、インターネット接続が行える各種デバイスでデータを取り扱え、複数のユーザー間でのデータ共有や共同編集も容易です。内部/外部ストレージに保存しているデータをバックアップしておく用途で使用するのも良いでしょう。
ただし、提供サービスのセキュリティ次第では情報漏えいの不安がある、無料サービスは容量に上限が設けられていて、多くのデータを保存するのが難しいなどのデメリットもあります。
光ディスクストレージ
CDやDVD、BDなど、ディスクにレーザーを当ててデータ保存を行う光ディスクも、ストレージの一種です。安価で長期間のデータ保存や持ち運びに適していますが、HDDやSSDなどと比較してディスク1枚あたりに保存できる容量は少なめです。
テープストレージ(LTO)
LTOは、磁気テープにデータを記録するタイプのストレージです。数十年単位など長期にわたるデータ保存に適し、転送速度が速いことやデータの改ざんが困難などの特長を持っています。
保管中に電力を消費しないため運用コストが低く済む点もメリットで、放送局や金融機関など大量のデータを長期間安全に保管する必要のある施設で、データのアーカイブを目的に多く用いられています。
▼LTOについて詳しくはこちら▼
複数のストレージを使ってデータをバックアップしよう
データを保存するストレージは1つだけ使用するのではなく、複数の種類を組み合わせて使用することがおすすめです。パソコンなどの内部ストレージとは別に、外付けのHDDやSSDを用意したり、オンラインストレージを活用したりしましょう。それぞれにデータを保存しておくことで、どれか1つのストレージにトラブルが発生したときでも、データを完全に失う心配を減らせます。
また、複数のストレージを用意しておけば、使う予定はないものの残しておきたいデータを外部ストレージやオンラインストレージに移動させておくこともできます。内部ストレージの容量が足りなくなってきた際に、空き容量を確保する手段として外部ストレージやオンラインストレージを活用するのも良いでしょう。