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ヒートシンクとは?放熱する仕組みや必要性などをわかりやすく解説

ヒートシンクとは?放熱する仕組みや必要性などをわかりやすく解説

パソコンやスマホなどの電子機器は、高負荷で長時間使い続けると、本体が熱を持ってしまうことがあります。特に、近年のCPUやSSDなどは高性能な分、発熱量も多いです。機器が高い熱を持つと性能が低下する恐れがあるため、必要に応じて熱を逃がさなければいけません。熱を逃がす冷却用のパーツとして、電子機器に広く使われているのが「ヒートシンク(放熱フィン)」です。具体的に、ヒートシンクはどのような仕組みで冷却を行っているのでしょうか。この記事では、ヒートシンクの仕組みや、同じく機器の冷却に使われる放熱シートとの違いなどをご紹介します。
※この記事は2024/7/8に再編集しました。

ヒートシンクとは?

ヒートシンクとは、吸収した熱を空気中に発散(放熱)することで冷却を行う部品のことです。放熱フィンや冷却フィン、放熱板とも呼ばれ、CPUを冷却する「CPUクーラー」やM.2 SSDなどに備え付けられています。材質には、熱伝導率が高く加工性にも優れるアルミニウムや、高価なもののアルミ以上の熱伝導率を誇る銅が使われることが多いです。近年は、セラミックを使用したヒートシンクも見られます。

ヒートシンクで放熱できる仕組み

外部から力を加えない自然な状況下において、熱は必ず高い方から低い方へと移動します(熱力学第二法則)。ヒートシンクの仕組みは、この熱力学第二法則に基づいたものです。

ヒートシンクを熱源に取り付けると、機器の持つ熱は熱伝導によってヒートシンクに伝わります。吸収された熱はヒートシンクの表面から周囲の空気へと逃げていき、結果として熱源の温度が下がるという仕組みです。ヒートシンクの温度が上がると周囲の空気が温められて対流が発生するため、ヒートシンクは自然と冷却されます。

つまり、ヒートシンクは空気に触れる面積が広いほど、放熱効率が高くなるということです。そのため、多くのヒートシンクは放熱する部分を凹凸にしたり、蛇腹状に加工したりして表面積を増やした「フィン」と呼ばれる構造を備えています。冷却効果を高める目的で、空冷ファンなどと組み合わせて用いられる場合もあります。

単純な仕組みなので故障する可能性が低く、動作音も発生しない点が、ヒートシンクのメリットです。また、周囲の温度以上に温度が低くなることもないため、結露の発生も心配せずに済みます。

電子機器にヒートシンクが必要な理由

CPUやSSDなど、電子機器の本体に内蔵される部品は性能が高くなるほど電力を多く消費し、発熱量も増加します。高負荷の動作に対応する高性能な部品ほど、温度が上昇しやすいということです。

部品の温度が上昇しすぎると、熱暴走によって誤作動が起こる恐れがあります。また、継続的に発熱を繰り返すことで性能が低下したり、故障を招いたりする可能性も考えられます。熱暴走による機器の誤作動や故障を防ぐためには、内部にこもった熱を外部に放出しなければいけません。機器の発熱しやすい箇所にはヒートシンクを取り付け、冷却性能を確保することは必須といえます。

CPUやSSDといったパソコンパーツ以外にも、自動車のラジエーター、冷蔵庫、エアコンなどでヒートシンクが採用されています。

ヒートシンクを使う前に知っておきたい「熱抵抗」

ヒートシンクを使用する際には、放熱性の目安となる「熱抵抗」を確認しておく必要があります。熱抵抗とは熱の伝わりやすさを表す指標のことです。値が小さいほど熱が伝わりやすく、空気中に放熱される熱量が増えるので、熱抵抗が小さいものほど性能が高いヒートシンクといえるでしょう。一般的には、ヒートシンクの表面積が広いほど熱抵抗も低くなります。

M.2 SSDには放熱シートも併用するとより効果的

ヒートシンクと同じく、部品の冷却を目的としているアイテムに「放熱シート(熱伝導シート)」があります。放熱シートとは、熱伝導性を持つシリコンゴムを加工したもので、発熱する部品とヒートシンクの間に挟み込んで使用するアイテムです。

放熱シートを使うことで熱抵抗を下げられるので、ヒートシンクに熱を伝えやすくなり、放熱効率をさらに高められます。M.2 SSDのような発熱量が多い部品を使う際は、ヒートシンクと放熱シートを併用すると、より効果的な冷却を行えるでしょう。ただし、放熱シートはあくまでヒートシンクに熱を伝えやすくする役割しか持ちません。放熱シート単体で使用しても、放熱効果は見込めない点には注意が必要です。

前述のとおり、ヒートシンクは周囲の温度以上に機器の温度を下げることはできません。効率的に放熱するために、通気口やファンを配置して周囲の空気を循環させたり、熱源とヒートシンクを密着させたりすることもポイントです。

ヒートシンクを使う際の注意点

機器の冷却のために使用するヒートシンクですが、電気の力などを使って冷却を行うものではなく、熱を空気中に発散することによる自然冷却で温度の上昇を防ぐものです。そのため、水冷クーラーやヒートポンプなどとは異なり、特定の箇所を周囲よりも低い温度にすることはできません。

周囲の温度が高い状態だと、ヒートシンクを取り付けているにも関わらず、放熱効率が上がらない場合もあります。ヒートシンクを使用する際は、周囲の熱対策も必須です。また、ヒートシンクや放熱シートは、正しく取り付けないと適切に放熱されないこともあります。必ず、正しい方法で取り付けるようにしましょう。

ヒートシンク搭載!ロジテックのおすすめM.2 SSD

M.2 SSDの性能を簡単に最大限発揮したい方は、SSD・ヒートシンク・放熱シートがセットになった、ロジテックのM.2 SSDがおすすめです。NVMe M.2 Gen4x4 SSDにヒートシンクを取り付けた状態なので、スムーズにストレージの増設や換装を行えます。ドライバーが付属しているので、工具を用意する必要もありません。

PS5に特化した設計で、PS5のストレージを拡張したい方におすすめです。パソコンに使用したい場合は、ヒートシンクを取り外さずに取り付けられるスペースがあることを、事前にご確認ください。


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おわりに M.2 SSDにはヒートシンクを活用しよう

近年のSSDは、高性能化にともなって動作時の発熱量も増加しています。高性能なパーツを内蔵するパソコンなどのパフォーマンスを保ち、長く正常に動作させるためには、部品や本体の過熱を防いで温度を上げすぎないことが重要です。適宜ヒートシンクを活用し、内部の熱を逃がすようにしましょう。

ヒートシンクだけでは温度をしっかりと下げられない場合は、放熱シートや冷却ファンなども併せて用意するのがおすすめです。

特に、NVMe対応のM.2 SSDなど、高性能な製品は発熱量が多いです。購入を検討している場合は、製品にヒートシンクが取り付けられているかを確認しましょう。性能と同時に発熱量も確認して、発熱のリスクに備えておくことが大切です。

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