SSDの「U.2」とは?知っていると役立つコネクタ規格について解説

M.2やSATAなど、SSDにはさまざまなインターフェイスが存在します。それらのなかでも、あまり一般には知られていない接続規格のひとつとして、「U.2」が挙げられます。U.2という規格は具体的にどのような特長を備えた規格なのでしょうか。この記事では、U.2 SSDの特長や、他のSSD接続規格であるM.2やSATAとの違いなどをご紹介します。
目次
SSDの「U.2」とは?
「U.2(ユー ドット ツー)」とは、SSDのコネクタ規格のひとつです。以前は「SFF‐8639」と呼ばれていましたが、現在はU.2と呼ばれています。U.2は、2015年6月に台湾で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2015」のなかで、アメリカのIntel社が発表した2.5インチSSD向けのコネクタ仕様です。
SATA-Expressに基づいて改善を加えられた規格で、この規格を採用したU.2 SSDのサイズは2.5インチとなっています。通信規格はM.2 SSDなどと同じく、PCI‐e(PCIe、PCI‐Express)に対応している点が特長です。U.2の理論帯域幅は32Gbpsで、M.2とほぼ同等の転送速度となっています。
M.2やSATAとの違い
SSDのインターフェイス規格には、U.2以外にもM.2やSATAなどがあります。M.2やSATAといった規格と比較して、U.2はどのような特長を備えているのでしょうか。ここでは、U.2と同じくSSDの接続規格である、M.2やSATAの概要についてご紹介します。
M.2
主にPCIe(NVMe)接続を採用しているインターフェイス規格です。M.2 SSDの特長として、パソコンのマザーボードのスロットに直接差し込んで使える点が挙げられます。また、M.2 SSDは基板がむき出しになった、コンパクトな形状をしているのも特長です。ノートパソコンなど、小型機器への取り付けにも適しています。
非常に高速なデータ転送が行える点も、PCIe接続を採用したM.2 SSDの魅力ですが、高性能な分発熱量も大きいです。使用する際には、ヒートシンクなどの放熱対策が欠かせません。
SATA
SATAは「シリアルATA」の略称で、パソコンと周辺機器の間でデータ転送を行うための接続規格です。2.5インチSSDのほか、HDDや一部M.2 SSDでも採用されています。U.2やM.2と比較すると転送速度は遅くなりますが、最大6Gbps(理論値)のデータ転送が可能です。
U.2のメリット
数ある接続インターフェイスと比較した際に、U.2はどのようなメリットを備えているのでしょうか。ここでは、U.2ならではのメリットについてご紹介します。
さまざまなインターフェイスに対応
U.2の「U」はUniversal(ユニバーサル)を意味します。その名の通り高い汎用性を持っていて、主要なインターフェイスを網羅しているのが特長です。U.2のレセプタクル・コネクタであれば、PCIeやSATA、SASのプラグをすべて装着できます。
ホットスワップに対応
「ホットスワップ」に対応している点も、U.2コネクタの特長のひとつです。ホットスワップとは、機器の電源を入れて稼働させた状態のまま、部品やケーブルを抜き差しできる仕組みのことを指します。
U.2 SSDを搭載した機器がホットスワップに対応している場合は、機器の電源を切ることなく、通電したままの状態でSSDを交換可能です。SSDが不具合を起こしたとしても、電源を落とさずに交換作業が行えます。
U.2のデメリット
ホットスワップや、多くのインターフェイスに対応するなど、多くのメリットを持つU.2ですが、デメリットや注意が必要な点もいくつかあります。
U.2 SSDのサイズは、2.5インチSSDと同じです。サイズが大きい分だけ大容量を実現しやすいというメリットはありますが、設置スペースが限られるモバイルノートパソコンなどへの搭載は困難です。U.2 SSDを搭載するには広いスペースが必要といった問題があり、一般的には一部のサーバーなどでしか使用されていません。
特に、現在はコンパクトなサイズで高性能なM.2が普及しています。一般の用途でU.2 SSDを見かける機会は、ほぼないと考えて良いでしょう。