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パソコンの内蔵HDD(ハードディスク)の交換方法は?事前にクローンを作っておくと便利

パソコンに内蔵されているHDD(ハードディスク)は、新しいものに交換(換装)したり、数を増やしたりできる場合があります。HDDを交換や増設すれば、パソコンを買い替えるよりも低いコストで、容量不足や動作が重いといった問題を解決することが可能です。ここでは、パソコンのHDDを交換または増設する方法や、作業時の注意点をご紹介します。
※この記事は2025/3/4に再編集しました。

HDDを交換・増設するメリット

内蔵HDDは、状況によっては新しいものに交換したり、数を増やしたりした方が良い場合があります。HDDを交換・増設する主なメリットは、以下の2つです。

故障を防げる

HDDは、いつかは必ず壊れてしまうものです。HDDが故障してしまうと、保存していたデータを取り出せなくなる恐れがあります。専門業者に依頼することで取り出せる可能性はあるものの、100%データを復旧できるわけではありません。

異音が聞こえる、パソコンの動作が重たいといった不具合があるHDDを、新しいHDDに交換すれば、トラブルを未然に防ぐことが可能です。また、新しいHDDに交換することで、パソコンのデータ処理速度が改善する場合もあります。

容量が増える

より大容量なHDDに交換したり、HDDを1台増やしたりすることで、データを保存できる容量が多くなる点もメリットです。「内蔵HDDが容量不足に陥らないように、定期的に不要ファイルを削除する」といった面倒な作業から解放されます。

ただし、増設するにはパソコン内に専用スペースが必要です。ノートパソコンをはじめ、増設用のドライブベイがないパソコンに内蔵HDDを増設することはできません。

新しいHDDの選び方

HDDを交換・増設するには、当たり前ですが新しいHDDを用意する必要があります。新しいHDDを購入する際は、次の点を確認しておきましょう。

接続規格

パソコンに内蔵するHDDの接続規格は「IDE」と「SATA」の2種類に分けられます。取り扱い説明書やメーカーのWebページ、フリーソフトなどで、パソコンの接続規格を確認しておきましょう。ただし、IDEの生産はすでに終了しているため、見かけることはまれです。生産が古いモデルのパソコンを除き、基本的にはSATA接続の内蔵HDDを選べば問題ありません。

サイズ

内蔵HDDは、サイズから「3.5インチ」と「2.5インチ」の2種類に分けられます。基本的には、3.5インチはデスクトップパソコン用、2.5インチはノートパソコンや省スペースデスクトップパソコン用です。

2.5インチ用のスペースには3.5インチHDDを設置することはできないので、必ずサイズを確認しておきましょう。3.5インチ用スペースには、「マウンタ」という器具を使えば2.5インチHDDを設置できます。

また、一部のパソコンは内蔵ストレージがマザーボードに直接接続されていて、市販の内蔵HDD/SSDと交換できないタイプもあります。内蔵ストレージを交換できるモデルかどうかの確認も必須です。

容量

内蔵HDDの容量は、商品によって大きく異なります。どれくらいのデータを取り扱うのかに応じて、必要な容量の内蔵HDDを用意しましょう。容量と価格は比例する傾向にありますが、例外もあります。

回転数

HDDは、金属製の記録媒体(プラッター)を高速回転させることでデータを読み書きしています。プラッターの回転速度を表すのが「回転数」です。1分間当たりの回転数は「rpm」という単位で示され、HDDには7,200rpmと5,400rpmの2種類が存在します。回転速度が速いほどデータの処理速度も高速になりますが、動作音や発熱も大きくなる点に注意が必要です。

内蔵HDDを交換・増設する方法

ここからは内蔵HDDの交換・増設方法を紹介します。ただし、内蔵HDDの交換・増設作業にはデータの消失やパソコンの故障といったリスクが伴います。作業には細心の注意を払い、自己責任で行ってください。また、内蔵HDDの交換には、事前のシステムやデータのバックアップ、交換後のリストア作業も必要です。交換・増設の方法や必要な器具(ドライバーなど)もパソコンの機種ごとに異なるので、あらかじめ自分のパソコンのメーカーWebサイトや取扱説明書をチェックしましょう。
※ハードディスクの交換や増設に関しましてはご自身の責任のもとで行ってくださいますようお願いいたします。万が一、破損が生じた場合、当社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
※パソコンによっては、ハードディスクの交換や、ケース・カバーを開けることによって保証の対象外となることもありますので、必ず確認してから行ってください。

内蔵HDDの交換方法

内蔵HDDを交換する際は、次の手順で作業を行います。

【デスクトップパソコンの場合】

  1. 電源を切ったらケーブル類を取り外す
  2. パソコン本体のケースを開けて、HDDのSATAケーブルや固定ねじを全て外す
  3. 内蔵HDDを取り出したら、新しいHDDをネジで固定する
  4. 信号ケーブルと電源ケーブルを接続したら本体のケースを閉じる

ノートパソコンの場合は、以下の手順で内蔵ストレージを交換してください。

【ノートパソコンの場合】

  1. ACアダプターを抜いて数分時間を置く
  2. 可能な場合はバッテリーを取り除く
  3. HDDが収納されている部分のカバーを外す
  4. HDDを固定している金具やねじを取り外す
  5. 取り外した時と逆の手順で、新しいHDDを取り付ける
  6. バッテリーとカバーを取り外して作業完了

内蔵HDDのある位置は機種によって異なりますが、底面やキーボード下にある場合が一般的です。また、OSを保存しているCドライブを交換した場合は、インストールディスクやリカバリディスクを使用してOSをインストールし直す必要があります。事前にクローンを作製しておくと、内蔵ストレージをスムーズに交換可能です。HDDのクローンについては、以下の記事も併せてご確認ください。

内蔵HDDの増設方法

すでに内蔵されているHDDはそのままに、別のHDDを増設するには、パソコン本体にHDD増設用の専用スペース(ドライブベイ)が必要です。事前に、ドライブベイが空いているかを確認しておきましょう。増設の手順は、以下のとおりです。

【HDDを増設する方法】

  1. パソコン本体のケースを開けてドライブベイの位置を確認する
  2. 増設用のHDDをドライブベイに取り付ける
  3. マザーボードのSATAポートとHDDをSATAケーブルで接続し、電源供給用のケーブルを取り付ける
  4. カバーを閉じたらパソコンを起動する
  5. スタートメニューを右クリックして「ディスクの管理」を選択する
  6. 表示された画面で、増設したストレージが「不明」として認識されているのを確認する
  7. 「不明」と認識されているディスクをクリックして「ディスクの初期化」を行う

交換・増設後はHDDのフォーマットが必要

新品の内蔵HDDは、取り付けただけでは認識されなかったり、読み書きできなかったりすることがあります。その場合に必要なのが「フォーマット(初期化)」という作業です。WindowsやMacの機能で、HDDをフォーマットしましょう。

ただし、データが書き込まれているHDDをフォーマットすると内容が全消去されてしまいます。使用中のHDDをフォーマットして再利用する場合は注意が必要です。フォーマットのやり方や注意点については、以下の記事も併せてご確認ください。

事前にクローンを作っておくのもおすすめ

内蔵HDDを新しいものに交換すると、古いHDDに保存していたデータやOSなどは全て使えなくなってしまいます。OSや使用していたソフトの再インストールは手動でもできますが、時間と手間がかかるものです。内蔵HDDの交換作業の手間を少しでも減らしたい方は、事前にクローン(複製)を作っておきましょう。

クローンとは、OSのようなシステムも含めて、HDD内の全てのデータを別の記憶媒体に丸ごとコピーすることです。クローンデータをあらかじめ作っておけば、交換後もすぐに従来と同じ環境でパソコンを使用できます。

クローンの作り方は、クローンソフトを使用する方法と、デュプリケーター(HDDスタンド)を使用する方法の2種類に大きく分けられます。クローンの作成方法や注意点は、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご確認ください。

おわりに 内蔵ストレージを交換して悩みを改善しよう

内蔵HDDを新しいものに交換すれば、HDDの故障による動作の不具合やデータの消失を未然に防いだり、空き容量を増やしたりすることが可能です。データの処理速度を改善したい方は、内蔵HDDを2.5インチSSDに交換するのも良いでしょう。使用しているパソコンのHDD容量や動作速度に不満を感じている時は、パソコンそのものの買い替えではなく、内蔵ストレージの交換・増設を検討してみてはいかがでしょうか。

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