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HDDに代わるストレージとして、パソコンを中心に使われているSSD。接続方法や形状などが異なる商品が多くありますが、近年はM.2 SSDと呼ばれる規格を目にすることが多くなりました。M.2 SSDは他のSSDとどのように異なっているのでしょうか。この記事ではM.2 SSDについて、概要や使用するメリットなどをご紹介します。
※この記事は2023/11/21に再編集しました

M.2 SSDとは

M.2(エムドットツー)とは、PCの拡張カードにおいて接続端子となる規格のことです。「NGFF(Next Generation Form Factor)」や「M.2(NGFF)」などと記載されることもありますが、いずれもM.2を表していると考えて問題ありません。

この「M.2規格を接続端子としたSSD」が「M.2 SSD」です。接続にケーブルを用いず、直接マザーボードへ差し込むスロット方式を採用していて、基板がむき出しになった形状をしています。従来のSSDはSATA(Serial ATA)というインターフェースを基本としていましたが、M.2 SSDはSATAに加えてPCIe(PCI-Express)というインターフェースにも対応しているのが特長です。また、M.2端子はコンパクトな形状で、SSDそのものや採用する機器本体の小型化・軽量化にも寄与しています。

M.2を知るうえで欠かせない「mSATA」

mSATAは、ノートPCなどで使われていた接続端子の規格です。M.2と同様にコンパクトで基板がむき出しになった形状をしていて、スロットに直接挿し込んで使用します。M.2 SSDは、このmSATAの後継規格として開発されました。

いずれもノートパソコンの薄型化や小型化に大きく貢献した規格ですが、mSATA SSDのデータ転送速度は最大6Gbps、M.2 SSDは理論上最大40Gbpsと、性能面で大きく違いがあります。また、データの転送方式も異なります。mSATAはデータの転送方式にSATAを採用しているのに対し、M.2 SSDはSATAやNVMeなど、接続機器に応じた方式でデータ転送を行うことが可能です。

M.2と併せて理解したいPCIeとNVMe

M.2 SSDを理解するうえでは、PCIeやNVMeという規格を知っておく必要があります。それぞれ、どのような規格なのかご紹介します。

PCIe

PCIe(PCI-Express)とは、PCの拡張スロットなどの接続規格です。グラフィックボードやLANカードなど、高速なデータ転送を行う周辺機器で採用されていて、マザーボード上のスロットに直接挿して使用します。転送速度の理論値は世代やレーン数によって異なりますが、PCIe Gen4では×1レーンで16Gbps、×32レーンだと512Gbpsもの転送速度を誇ります。

NVMe

NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、SSDなどフラッシュメモリの通信を最適化するために開発された通信プロトコルです。通常はPCIeと組み合わせて使用します。また、NVMeと併せて「AHCI(Advanced Host Controller Interface)」という通信プロトコルの名前が挙がることもあります。どちらも通信プロトコルである点は変わりませんが、AHCIはHDDでの使用を前提としたSATA規格に最適化されたものです。データ処理や転送速度といった性能面でも、AHCIよりNVMeの方が大きく向上しています。NVMeに関する詳細は、以下の記事も併せてご確認ください。

PCIe(NVMe)接続を採用したM.2 SSDのメリット

SSDで採用されているSATAやmSATAといった接続方式と比較した時、M.2にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、M.2 SSDが持つメリットについてご紹介します。

従来のSSDより小さい

M.2 SSDは、従来の2.5インチSSDやモバイル型ノートPCに採用されてきたmSATAよりもさらにコンパクトなのが特長です。mSATAはカードのような形状で約30mmの幅がありますが、M.2はスティック状で幅は約22mmと、より小型化されていることがわかります。

マザーボードのベイを占有しないなどのメリットもあるため、小型化が要求されるモバイルノートPCやタブレット端末だけでなく、近年はデスクトップPCでM.2 SSDが採用されることも少なくありません。

データ転送速度が高速

M.2 SSDのメリットとして、インターフェース次第でデータ転送速度を向上させられる点も挙げられます。PCIe(NVMe)接続を採用したM.2 SSDの最大転送速度は、理論上は40Gbpsと非常に高速です。

2.5インチSSDやmSATAが採用していたデータ転送規格「SATA3」の最大転送速度は6Gbps(理論値)とされているので、M.2を採用すれば約7倍も最大転送速度が向上することになります。実際の転送速度は使用環境などに左右されますが、大容量のデータをインストールしたり移動させたりすることが多い方は、M.2 SSDを採用するのがおすすめです。

M.2 SSDを購入する時の注意点

メリットが多いように見えるM.2ですが、確認や注意が必要なポイントもあります。M.2 SSDの購入・導入に際して、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

接続方法が分かれている

M.2 SSDの接続コネクタは、大きくM-keyとB-key、B&M‐keyの3種類に分けられ、種類によって切り欠きの位置が異なります。マザーボードのスロットとM.2 SSDのコネクタ形状が異なると動作しないため、使用しているパソコンのマザーボードがどのコネクタに対応しているのか確認が必要です。

サイズが複数ある

M.2端子の幅は約22mmとご紹介しましたが、奥行きは製品によって異なります。主流となっているのは「奥行き80mm」のものですが、「奥行き42mm」や「奥行き60mm」といったサイズの製品もあるため注意が必要です。

M.2のサイズは、スペック表やカタログに「○○2280」「○○2242」などと表記されていることが多いです。購入の際は、マザーボードのスペースに収まるサイズかどうかを確認するようにしましょう。

必ず高速化するとは限らない

M.2 SSDは、接続方式からSATA接続とPCIe(NVMe)接続の2種類に大きく分けることができます。SATAを採用しているM.2 SSDのデータ転送速度は、従来のSSDと同じです。つまり、M.2を採用したからといって必ず高速化するわけではありません。

データの転送速度を速くしたい時は、PCIe(NVMe)接続を採用している製品を選ぶ必要があります。また、PCIe(NVMe)接続のM.2 SSDを採用する際はPCIeのレーン数や世代も確認しておきましょう。製品にPCIe3.0×4のような記載がある場合は、PCIeのGen3の4レーン接続という意味です。レーンは1本で10Gbpsなので、単純に4レーンなら40Gbps、2レーンなら20Gbpsとなります(PCIe3.0の場合)。基本的には、記載してある世代やレーン数が大きいほど転送速度も速いです。

NVMeモデルは熱にも注意

PCIe接続を使用しNVMeが採用されているM.2 SSDは、データ転送速度が非常に高速な反面、温度が高くなりやすいというデメリットがあります。特にM.2 SSDはサイズが小さいため発熱対策が難しく、データの書き込みや読み出しを長時間続けると温度が高くなりやすいです。温度が高くなると、SSDは処理能力を落として熱暴走を避けようとするため、データ転送速度が低下する恐れがあります。M.2 SSDを使用する際は、ヒートシンクやファンでSSDを冷却するなど、発熱対策が必要です。

ロジテックおすすめのM.2 SSD

ロジテックでは、NVMe対応のM.2 SSDを取り扱っています。高性能なSSDを使いたい方は、ぜひご確認ください。

SSD M.2 換装キット 1024GB NVMe対応 Type-C Type-A ケーブル両対応 データ移行ソフト付 / 外付けSSDで再利用可 放熱仕様筐体

M.2 SSDケースとM.2内蔵SSDがセットとなった、PCIe NVMe対応のSSD換装キットです。パソコンの内蔵SSDを簡単に換装できます。換装後の内蔵SSDは、ケースに入れて外付けSSDとしても使用可能です。

DRAM搭載 内蔵SSD M.2 NVMe対応 512GB データ移行ソフト付

高速データ転送規格であるNVMeに対応したM.2内蔵SSDです。環境移行ソフトが付属しているので、元の環境をすぐに移行できます。DRAMキャッシュを搭載しており、読み出し最大3400MB/s、書き込み最大3000MB/sという高速なデータ転送も特長です。

PS5対応 ヒートシンク付きM.2 内蔵 SSD 1TB Gen4x4対応 NVMe PS5拡張ストレージ 増設

SSD本体とヒートシンク、放熱シートが付属したM.2内蔵SSDです。ヒートシンクは、PS5に特化した設計となっています。ドライバーが付属していて工具を用意することなく増設可能です。

おわりに M.2 SSDの特長を理解してSSD選びに役立てよう

M.2 SSDは接続方式がいくつかあり、種類によって性能や大きさも異なります。「M.2 SSDを選べばデータ転送速度が上がる」とは限らず適当に選んでしまうと、「性能が上がらなかった」「使用しているマザーボードが対応していない接続方式だった」という事態にもなりかねません。製品の種類ごとの特長を踏まえて、求めている性能を実現するM.2 SSDを用意しましょう。

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