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M.2 SSDとはどんなもの?高速化に役立つ規格の特長は?

M.2 SSDとはどんなもの?高速化に役立つ規格の特長は?

HDDに代わるストレージとして、パソコンや家庭用ゲーム機(PS5)などに使われているSSD。接続方法や形状などが異なる商品が多くありますが、近年はM.2 SSDと呼ばれる規格を目にすることが多くなりました。M.2 SSDは他のSSDとどのように異なっているのでしょうか。この記事ではM.2 SSDについて、概要や使用するメリットなどをご紹介します。
※この記事は2025/4/24に再編集しました。

M.2 SSDとは

M.2(エムドットツー)とは、PCの拡張カードにける接続規格(インターフェース)のことです。「NGFF(Next Generation Form Factor)」や「M.2(NGFF)」などと記載されることもありますが、いずれもM.2を表していると考えて問題ありません。この「M.2規格を接続端子としたSSD」が「M.2 SSD」です。接続にケーブルを用いず、直接マザーボードへ差し込むスロット方式を採用していて、基板がむき出しになった形状をしています。

従来のSSDはSATA(Serial ATA)というインターフェースを基本としていましたが、M.2 SSDはSATAに加えてPCIe(PCI-Express)というインターフェースにも対応しているのが特長です。また、M.2端子はコンパクトな形状で、SSDそのものや採用する機器本体の小型化・軽量化にも寄与しています。

M.2を知るうえで欠かせない「mSATA」

mSATAは、ノートPCなどで使われていた接続端子の規格です。M.2と同様にコンパクトで基板がむき出しになった形状をしていて、スロットに直接挿し込んで使用します。M.2 SSDは、このmSATAの後継規格として開発されました。

いずれもノートパソコンの薄型化や小型化に大きく貢献した規格ですが、mSATA SSDのデータ転送速度は最大6Gbps、M.2 SSDは理論上最大40Gbpsと、性能面で大きく違いがあります。また、データの転送方式も異なります。mSATAはデータの転送方式にSATAを採用しているのに対し、M.2 SSDはSATAやNVMeなど、接続機器に応じた方式でデータ転送を行うことが可能です。

M.2 SSDの主な規格

M.2 SSDは、NVMeとSATAの2種類に大きく分けられます。規格ごとに性能が大きく異なるので、違いを覚えておきましょう。それぞれの規格の主な特長は、以下のとおりです。

NVMe

NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、SSDなどフラッシュメモリの通信を最適化するために開発された通信プロトコルです。PCIe(PCI-Express)と呼ばれる接続規格を採用しており、非常に高速なデータ転送を行えます。

転送速度の理論値は世代やレーン数によって異なりますが、PCIe Gen4では×1レーンで16Gbps、×32レーンだと512Gbpsです。2019年に仕様が策定し、2021年から実用化が始まったPCIe Gen5は×1レーンで32Gbps、PCIe Gen6は×1レーンで64Gbpsと、さらに転送速度の高速化が進んでいます。基本的には、記載してある世代やレーン数が大きいほど転送速度も速いと考えて問題ありません。高画質な写真や4K動画、3Dゲームといった大容量なデータの処理も快適に行えるのが、NVMeを採用したM.2 SSDの魅力です。

NVMeの詳細については、以下の記事も併せてご確認ください。

SATA

世代によって3つの種類に分けられますが、3世代目の「SATA3」規格でも理論上の最大転送速度は6Gbpsと、PCIe(NVMe)接続を採用したものに比べるとデータの処理速度は劣ります。形状はPCIe(NVMe)接続のM.2 SSDと似ていますが、別の通信規格で動作するため、互換性はありません。

SATA規格の詳細については、以下の記事をご確認ください。

PCIe(NVMe)接続を採用したM.2 SSDのメリット

SSDで採用されているSATAやmSATAといった接続方式と比較した時、M.2にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、M.2 SSDが持つメリットについてご紹介します。

従来のSSDより小さい

M.2 SSDは、従来の2.5インチSSDやモバイル型ノートPCに採用されてきたmSATAよりもさらにコンパクトなのが特長です。mSATAはカードのような形状で約30mmの幅がありますが、M.2はスティック状で幅は約22mmと、より小型化されていることがわかります。

マザーボードのベイを占有しないなどのメリットもあるため、小型化が要求されるモバイルノートPCやタブレット端末だけでなく、近年はデスクトップPCで採用されているほか、PS5やPS5 Proといったゲーム機にもM.2 SSDが採用されています。

データ転送速度が高速

M.2 SSDのメリットとして、インターフェース次第でデータ転送速度を向上させられる点も挙げられます。PCIe(NVMe)接続を採用したM.2 SSDの最大転送速度は、理論上は40Gbpsと非常に高速です。

前述のとおり、2.5インチSSDやmSATAが採用していたデータ転送規格「SATA3」の最大転送速度は6Gbps(理論値)となので、M.2を採用すれば約7倍も最大転送速度が向上することになります。実際の転送速度は使用環境などに左右されますが、大容量のデータをインストールしたり移動させたりすることが多い方は、M.2 SSDを採用するのがおすすめです。

M.2 SSDを購入する時の注意点

メリットが多いように見えるM.2ですが、確認や注意が必要なポイントもあります。M.2 SSDの購入・導入に際して、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

接続方法が分かれている

M.2 SSDの接続コネクタは、大きくM-keyとB-key、B&M‐keyの3種類に分けられ、種類によって接続端子の切り欠きの位置が異なります。マザーボードのスロットとM.2 SSDのコネクタ形状が異なると挿さらない、接続しても動作しないなどのトラブルにつながります。使用しているパソコンのマザーボードがどのコネクタに対応しているのか確認が必要です。

サイズが複数ある

M.2端子の幅は約22mmとご紹介しましたが、奥行きは製品によって異なります。主流となっているのは「奥行き80mm」のものですが、「奥行き42mm」や「奥行き60mm」「奥行き110mm」といったサイズの製品もあるため注意が必要です。

M.2のサイズは、スペック表やカタログに「○○2280」「○○2242」などと表記されていることが多いです。購入の際は、マザーボードのスペースに収まるサイズかどうかを確認するようにしましょう。

NVMeモデルは熱にも注意

PCIe接続を使用しNVMeが採用されているM.2 SSDは、データ転送速度が非常に高速な反面、SSD本体の温度(発熱)が高くなりやすいというデメリットがあります。特にM.2 SSDはサイズが小さいため発熱対策が難しく、データの書き込みや読み出しを長時間続けると温度が高くなりやすいです。SSD本体の温度(発熱)が高くなると、SSDは処理能力を落として熱暴走を避けようとし、サーマルスロットリングが発動するためデータ転送速度が低下する恐れがあります。M.2 SSDを使用する際は、ヒートシンクやファンでSSDを冷却するなど、発熱対策が必要です。

また、ヒートシンクやファンだけでなく、SSDケースなどを利用する場合は、マニュアルに従って正しく装着しましょう。ヒートシンクやファンはSSDと別々で用意することもできますが、あらかじめ専用のヒートシンクがセットになったSSDを選ぶのもおすすめです。

M.2 SSDを持っていればケースを用意するのもおすすめ

M.2 SSDは、外付けストレージとして活用することもできます。M.2 SSDが余っている、外付けSSDも高速なものを使いたいといった時は、M.2 SSD用の専用ケースを要してみてはいかがでしょうか。

Thunderbolt 3/4やUSB 40Gbps(USB4)といった規格に対応している専用ケースなら、M.2 SSDの性能を活かした超高速なデータ転送を行うことができます。ただし、外付けケースは製品ごとに対応している規格が異なります。取り付けたいM.2 SSDと規格があっているか、事前に確認しておくと安心です。

ロジテックおすすめのM.2 SSD製品

ロジテックでは、さまざまなM.2 SSD製品を取り扱っています。高性能なSSDを使いたい方は、ぜひご確認ください。

USB 40Gbps USB4 対応 外付け SSD

温度を検知し、適切な温度を保つよう自動で稼働する温度検知ファンを搭載したUSB4対応外付けSSDです。USB 40Gbps対応機器で使用した場合、読み込み最大3,650MB/s・書き込み最大3,800MB/sの超高速でデータ転送が行えます。MacOSのインストール、外部起動ディスクとしても使うことができ、従来の外付けSSDよりも作業効率が向上します。

USB 4 M.2 NVMe ポータブル 外付け SSD ケース

最大40Gbpsを実現するUSB4(Gen3×2)搭載SSDケースです。Macの起動ディスクとしても使える最大3,800MB/sの超高速データ転送に対応。USB4やThunderbolt4/3ポートに接続することで内蔵SSDと同じNVMe M.2 SSDとして認識するため、MacやiPad Proで高速転送が可能、高いパフォーマンスで容量を拡張できます。

M.2 SSDケース 高速転送規格NVMe対応 USB3.2(Gen2)対応 Type-C Type-A 高放熱 データ移行ソフト付

高速データ転送規格のNVMeに対応しているM.2 SSDケースです。USB 10Gbps(USB 3.2 Gen2)の性能を最大限活かすことができます。スクリューレス設計で、ねじを使わずに取り付けできる点も特長です。また、USB 10Gbps対応のUSB-Type-C(TM)ケーブルと、USB-Aケーブルを付属しているので、最新のMacやWindowsパソコン、古いパソコン、家庭用ゲーム機など、幅広い機器と接続して使えます。

PS5対応 ヒートシンク付きM.2 内蔵 SSD 1TB Gen4x4対応 NVMe PS5拡張ストレージ 増設

SSD本体とヒートシンク、放熱シートが付属したM.2内蔵SSDです。ヒートシンクは、PS5に特化した設計となっています。ドライバーが付属していて工具を用意することなく増設可能です。

おわりに M.2 SSDならデータ処理を高速化できる!

M.2 SSDは接続方式がいくつかあり、種類によって性能や大きさも異なります。「M.2 SSDを選べばデータ転送速度が上がる」とは限らず、適当に選んでしまうと「性能が上がらなかった」「使用しているマザーボードが対応していない接続方式だった」という事態にもなりかねません。製品の種類ごとの特長を踏まえて、求めている性能を実現するM.2 SSDを用意しましょう。

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