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ICT教育とは?推進される背景やメリットデメリットを解説

ICT教育とは?推進される背景やメリットデメリットを解説

学習指導要領の改訂に伴い、学校におけるICT環境の整備や、ICTを活用した学習活動の充実を図ることが明記されました。今後さらに推進されていくことが予想される「ICT教育」とは、どのような教育手法なのでしょうか。この記事ではICT教育の基本的な概要やICT教育が推進される社会的背景、そしてICT教育が持つメリット、デメリットについてご紹介します。

ICT教育とは

ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、「情報通信技術」のことです。具体的には、インターネットやSNSの活用など、ネットワークを使った情報のやり取りのことを指します。ICTとよく似た言葉でもある「IT(Information Technology)」は「情報技術」のことで、ハードウェアやソフトウェア、インターネットなどの技術そのものを意味しています。

ICTは先端技術を用いた情報や知識の伝達を重視しており、「ICT教育」は情報通信技術を活用した教育方法のことを指すといえるでしょう。例えば、ICT教育の一例としては以下のような取り組みが挙げられています。

  • パソコンやタブレットなどのデジタル機器を活用した調べ学習
  • プロジェクタに図表や資料を投影し、それを参照しながら学習すること
  • デジタル教科書や学習用ソフトウェア、動画コンテンツを活用した授業 など

ICT教育が推進される背景

ICT教育が推進される背景には、社会で必要とされる能力が変わったことがあります。従来の教育では、多くの情報を暗記し知識を深めることが重視されていましたが、インターネットの普及により、簡単に情報を得ることができるようになりました。今後、デジタル化が進む中で求められているのは、得た情報を取捨選択し活用する能力や創造力を持った子どもの育成です。

ICT教育は、デジタル機器を積極的に利用するだけでなく、調べた情報を活用するなど、これからの社会で求められる能力の育成を目的としているため期待されているのです。また、新型コロナウイルスによる休校の長期化に伴う教育課程の遅れなども相まって、オンラインでも学ぶことができるICT教育のニーズはさらに高まっているといえるでしょう。

ICT教育を行うメリット

ICT教育ですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、学校教育においてICT教育を取り入れるメリットをご紹介します。

幅広い授業が展開できる

デジタル媒体で視聴・閲覧が可能な動画コンテンツやアニメーションなどを活用することで、より多くの情報を児童・生徒に伝えられます。従来の文字や写真だけでは伝えきれなかった情報も、映像によって分かりやすくなるうえ、児童・生徒の学習に対する意欲を高めることもできるでしょう。

また、ビデオ会議などを活用して海外の先生や児童・生徒と英語学習を行うなど、幅広い授業を展開することも可能です。

効率的な授業が可能

電子黒板やタブレット端末などを活用することで、授業の板書を児童・生徒の持つ端末に送信したり、書くのに手間がかかる説明図にはデータを活用したりすることが可能です。

児童・生徒がノートに書き写す時間だけでなく、先生が板書する時間や配布するプリントを準備する手間などを削減でき、他の作業にあてられるようになるため授業時間をより有効活用できるでしょう。

情報共有が簡単

ICT機器を活用すれば、授業で使用した資料や授業内容などを簡単にデータ化して保存できるため、教員や児童・生徒の間で情報を共有することも容易です。また、授業の様子を保護者と共有して、家庭学習などに役立ててもらうといった使い方も考えられます。

児童・生徒の能力に合った学習が可能になる

個人端末を利用して、児童・生徒の理解度に合わせた問題を出題したり、支援が必要な子どもにサポートを行ったりすることもできます。児童・生徒一人ひとりの能力に合わせ、個別に最適化された学習を実現できる点も、ICT教育の大きなメリットです。

ICT教育で考えられるデメリット

非常にメリットの多いICT教育ですが、まったくデメリットがないというわけではありません。ここでは、考えられるICT教育のデメリットについてご紹介します。

インターネットを使ううえでのトラブル

ICT教育の一番のデメリットとして、有害なWEBサイトの表示・閲覧にかかわるインターネットトラブルや、インターネットの長時間利用による健康被害の発生などが想定されます。このようなトラブルを回避するためには、情報機器の適切な利用方法など情報モラルに関する教育や、ネットの利用状況の監視などが重要です。

書く力や想像力の低下

パソコンやタブレットなどの機器を使う時間が長くなると、紙と鉛筆を使って手書きをする機会はどうしても減ってしまうため、漢字や一定の長さ以上の文章を手で書く力を養えない可能性が指摘されています。また、分からないことはインターネットですぐ調べられる環境が当たり前になり、子どもたちの想像力や考える力が低下してしまうことも危惧されているデメリットのひとつです。

端末に直接書き込めるデジタル教材や、テキスト教材との併用も視野に入れて、ICT教育を取り入れるようにするなどの対策が必要でしょう。

おわりに ICT教育の導入は環境整備が重要

ICT教育はパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデジタル機器を活用した新しい教育方法ですが、デジタル機器を導入するだけで成功するものではありません。授業内容を見直して、デジタル機器をどのように取り入れるかをしっかりと考える必要があります。

ICT教育の専門的な知識を持つ外部の人材を活用するなど、デジタル機器を活用するための研修なども含めて、学校全体の環境を整備していくことがICT教育の導入には重要だといえるでしょう。

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