バックアップとは?種類ごとの特長や具体的なバックアップ方法を解説
突然の故障や不具合に備え、大切なデータを失わないためには定期的なバックアップが大切です。使用しているパソコンのデータが突然消えてしまう原因としてはコンピューターウイルスや停電、誤操作など、理由はいろいろ考えられます。しかし、これらのリスクを完全になくし、データの消去を防ぐことは難しいため、こまめにデータのバックアップを取っておくことが重要です。この記事では、バックアップの概要やバックアップ方法の種類についてご紹介します。
目次
バックアップとは
バックアップとは、パソコンやスマホ、サーバーなどの機器内部に保存されたデータを、別のメディアにコピーして保存しておくことです。
データバックアップを行っていないと、システムの不具合やウイルス感染によるデバイスの故障、操作ミスなどで大切なデータが消えてしまう恐れがあります。しかし、定期的にバックアップを取ることで、万が一の場合でも直近のデータを復元できるようになります。大切なデータはバックアップを取り、不測の事態が発生しても復旧可能な状態にしておくことが重要です。
バックアップの種類
バックアップは、その性質によってシステムバックアップとデータバックアップの2種類に分けられます。ここでは、それぞれの特長をご紹介します。
システムバックアップ
OSや設定、アプリケーションなどを丸ごとバックアップし、利用しているシステムをもう1台分構成する方式です。「イメージバックアップ」と呼ばれることもあります。基幹のシステムが故障した場合でも、システムバックアップを行っていればスムーズに復旧が可能です。
システムバックアップの手法には、システムを停止した状態で行うオフラインバックアップと、システムを稼働したまま行うオンラインバックアップの2つがあります。オンラインバックアップは作業しながらでもバックアップを行えますが、その分システムへの負荷が高くなりやすいというデメリットがあります。
データバックアップ
テキストや写真など、保存した各種データのみを複製して保管する方法です。システム環境を丸ごと復元することはできませんが、手軽に行えるメリットがあります。
ある時点における保存データすべてをバックアップとして複製する「フルバックアップ」や、前回保存した時から増えたデータだけバックアップしていく「増分バックアップ」、フルバックアップから変更や追加した分をバックアップする「差分バックアップ」などの種類があります。
バックアップに使える機器の種類
バックアップに使用する機器は、デバイス本体が壊れた際にデータを取り出せなくなる事態を防ぐために、使用しているデバイスと分けて使えるものが望ましいです。ここでは、バックアップ作業に使用できる機器の一例をご紹介します。
HDD
HDD(ハードディスク)は、内部のディスクに磁気でデータを記録していきます。大容量のデータを保存可能で、容量当たりの価格も安いのがメリットです。ネットワーク接続型のHDDであるNASを使用すれば、複数台のパソコンのバックアップにも使用できます。
ただし、機械部品が物理的に駆動してデータの読み書きを行うため、振動や衝撃に弱いです。持ち運びをする際は、取り扱いに注意する必要があります。
SSD
フラッシュメモリを使用した記憶装置がSSDです。駆動部品がないため衝撃に強く、データの読み書きも高速ですが、容量あたりの価格はHDDよりも高くなります。またフラッシュメモリの性質上、長期間使用しなかった場合にデータが消失する恐れもあるため注意が必要です。
磁気テープ
LTOに代表される磁気テープは他の記録媒体に比べて故障が少なく、長期間のデータ保存に適しています。比較的安価ながら大容量のデータを保存可能で、保管中は電力を消費しないため停電などの事態にも強いです。磁気ヘッドのゴミを除去するために、定期的なメンテナンスが必要というデメリットもあります。
クラウドストレージ
インターネット上にデータを保存するクラウドストレージ(オンラインストレージ)も、バックアップ用途に適しています。インターネットに接続しているデバイスであれば、端末を問わずデータにアクセスできる点もメリットです。ただし、オフライン環境では使用できず、データの読み書きの速度は回線状況に左右されてしまいます。
スマホやパソコンでバックアップを取る方法
日頃から使用しているスマホやパソコンも、データバックアップを行っておくことが重要です。ここでは、それぞれのデバイスでバックアップを取る方法をご紹介します。
iPhoneの場合
スマホの場合は、パソコンを使用するバックアップ方法と、各OSが提供するクラウドサービスを利用する方法の2種類があります。iPhoneの場合は、次のような操作でバックアップを取ることができます。
【パソコンを使用する場合】
- パソコンでFinderまたはiTunesを起動し、必要であればログインする
- パソコンとiPhoneを接続し、画面上にパスコードの入力やメッセージが表示された場合は、画面の指示に沿って操作する
- iTunesやFinderの左側にあるiPhoneマークをクリックする
- バックアップ欄の「このコンピューター」や「iPhone内のすべてのデータをこのMacにバックアップ」を選択し、バックアップを取る
【クラウドを使用する場合】
- iPhoneをWi-Fiネットワークに接続する
- 「設定」→「ユーザー名」→「iCloud」の順にタップする
- バックアップを取りたい項目を選択し、「iCloudバックアップ」をオンにする
Androidの場合
Android端末は機種やOSのバージョンによって、操作が多少異なる場合もありますが、以下のような操作でバックアップが行えます。
【パソコンを使用する場合】
- パソコンとスマホを接続する
- スマホのフォルダが表示されたら、保存したいデータをパソコンにコピーする
【クラウドサービスを使用する場合】
- 設定画面を開き、「アカウントとバックアップ」→「バックアップと復元」の順にタップ
- 「Googleアカウント」欄の「データのバックアップ」をオンにする
パソコンの場合
パソコンに保存しているデータも、定期的にバックアップを取っておくことが大切です。Windows10パソコンを例に、バックアップの方法をご紹介します。
【パソコンでバックアップを取る方法(Windows10の場合)】
- スタートボタンを右クリックし、プルダウンメニューから「設定」を選択する
- 「更新とセキュリティ」→「バックアップ」の順にクリックする
- バックアップ用機器を接続したら「ドライブの追加」をクリックする
- 画面上でバックアップ先の機器を選択して実行する