マイクロSDカード選びに役立つ容量や寿命、スピード規格の基礎知識

アクションカメラやVlogカメラで動画撮影を行ったり、Androidスマートフォンやニンテンドースイッチの容量を増やしたり、ドライブレコーダーにデータを記録したりするために欠かせないのが、マイクロSDカード(microSDカード)です。どの製品も同じに見えますが、用途ごとにさまざまな規格で分けられています。機器に合った製品を選ばないと使えない可能性もあるため、購入する際は注意が必要です。この記事では、寿命や容量、規格の違いといったマイクロSDカードの基礎知識や選び方のポイントをご紹介します。
※この記事は2024/7/9に再編集しました。
目次
マイクロSDカードとは?
SDメモリーカードは、物理的なサイズからSDカードとマイクロSDカード(microSDカード)の2種類に大きく分けられます。SDカードは切手くらいの大きさで、主にデジカメなどで使用されます。マイクロSDカードは、SDカードの4分の1程度のコンパクトなSDメモリーカードです。変換アダプターを利用すればSDカードと同じサイズになるので、SDカード専用の機器をはじめ、SDカードスロットへ差し込んで使うこともできます。
マイクロSDカードはアクションカメラやスマートフォン、ゲーム機、オーディオプレーヤー、ドライブレコーダーなど、幅広い機器で使用されています。近年は大容量データを扱う機会が多いため、スマートフォンやニンテンドースイッチの本体容量が少ないと、すぐに容量が足りなくなってしまうかもしれません。マイクロSDカードを用意しておけば、手軽に保存容量を増やせます。
マイクロSDカードの寿命はどれくらい?
アクションカメラやVlogカメラ、デジカメ、スマートフォン、ゲーム機、ドライブレコーダーなど、さまざまな機器で利用できて便利なマイクロSDカードですが、永遠に使い続けられるわけではありません。
マイクロSDカードは、使われているNANDフラッシュメモリによって、書き換え回数が異なります。一般用途で販売されているマイクロSDカードが採用している、MLCという規格のNANDフラッシュメモリの書き換え回数は、約3,000回です。
使用する環境などにも左右されますが、データの書き換え回数が多いほどマイクロSDカードは劣化していきます。長年使い続けていて、データが書き込みできない、機器に認識できないといった不具合が見られる時は、すぐに外付けHDDや外付けSSDなどにバックアップを行ってください。
マイクロSDカードの容量による規格の違い
マイクロSDカードは、データを保存できる容量の大きさによって、2GBまでの「microSDカード」、4GB〜32GBの「microSDHCカード」、64GB〜2TBの「microSDXCカード」という3つの規格に分けられます。容量4TB〜128TBの「microSDUCカード」規格も策定されていますが、2024年時点で対応製品は発売されていません。
高画質な写真やたくさんのゲームを保存したい方は、容量128GB以上のマイクロSDカードを用意しておくと安心です。ただし、大容量規格のマイクロSDカードは、使用する機器側もその規格に対応していなければいけません。例えば、SDHC対応と書かれている機器では、SDXC規格のマイクロSDカードを使用できないということです。購入前に、マイクロSDカードを差し込みたい機器がどの容量まで対応しているかを確認しておきましょう。
マイクロSDカードのスピード規格
マイクロSDカードには、容量だけでなくデータの転送速度もいくつか規格があります。カード本体には、スピードの規格を表すマークが表記されていることが多いですが、それぞれどのような意味なのでしょうか。ここでは、マイクロSDカードのスピード規格についてご紹介します。
SDスピードクラス
SDメモリーカードの最低転送速度を保証する規格です。Class2、Class4、Class6、Class10の4種類に分けられます。Classの後ろに続く数字が最低転送速度を意味しており、Class4のmicroSDカードなら4MB/sの転送速度は保証されます。
UHSスピードクラス
「U」の中に、1や3といった数字が表記されているのがUHSスピードクラスで、最低転送速度を保証する規格です。UHSスピードクラスが1の場合は10MB/s、3の場合は30MB/sの転送速度が保証されます。ただし、転送速度が保証されるのは、使用機器の側も同じUHSスピードクラスに対応している場合に限ります。
UHSインターフェース
マイクロSDカードの最大書き込み速度を示す規格です。UHS-T、UHS-U、UHS-Vの3種類に分けられます。理論上は、UHS-Tは104MB/s、UHS-Uは312MB/s、UHS-Vは最高624MB/sという転送速度まで対応可能です。動画や写真の連続撮影などを行う際は、UHS-I以上の規格に対応しているものを選ぶと良いでしょう。
ビデオスピードクラス
動画撮影用の機器向けに策定された規格です。V6・V10・V30・V60・V90の5種類があり、各規格で示す数字がデータの最低転送速度を表しています。4K動画を撮影する場合は、30MB/sを保証するV30以上か、UHSスピードクラス3以上のマイクロSDカードが必要です。
アプリケーションパフォーマンスクラス
スマートフォンやタブレットにおいて、マイクロSDカードにインストールしたアプリの実行やアプリデータの保存に関する規格です。マイクロSDカードがスマホアプリの動作に必要な読み書き速度を満たしている場合に、「A1」や「A2」などと表記されます。スマホアプリなどを保存することが目的の場合は、アプリケーションパフォーマンスクラスが記載されたマイクロSDカードを使用した方が快適です。
スピードクラス以外の選び方のポイント
スピードクラス以外にも、マイクロSDカードを選ぶ際に確認したいポイントがあります。ここでは、スピードクラス以外の選び方のポイントをご紹介します。
マイクロSDカードの耐久性
耐久性に優れたマイクロSDカードなら、使用中の端末を落としたり、水没させたりしても、データを守れる可能性が高まります。特に、アクションカメラやドライブレコーダー、監視カメラ用のマイクロSDカードは、長時間書き込みが続く、高温環境にさらされるなど、過酷な環境での使用が考えられます。対応できる環境温度の幅が広い、耐衝撃性や耐水性に優れているなど、高耐久なマイクロSDカードを選びましょう。
信頼できるブランドを選ぼう
マイクロSDカードはアクションカメラやVlogカメラ、スマートフォン、ゲーム機、ドライブレコーダーなどに入れっぱなしにして使うことが一般的です。価格だけで決めるのではなく、信頼できるメーカーやブランドの製品を選んだ方が、安心してデータを保存できます。