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ヒートシンクとは?仕組みや必要性などをわかりやすく解説

ヒートシンクとは?仕組みや必要性などをわかりやすく解説

パソコンやスマホなどの機器は、高負荷で長時間使い続けると、本体が熱を持ってしまうことがあります。特に、近年のCPUやSSDなどは、高性能な分発熱量も多いです。機器が高い熱を持つと性能が低下する恐れがあるため、必要に応じて熱を逃がしたり冷却したりしなければいけません。熱を逃がす冷却用のパーツとして広く使われているのが、「ヒートシンク」です。具体的に、ヒートシンクはどのような仕組みで冷却を行っているのでしょうか。この記事では、ヒートシンクの仕組みや、同じく機器の冷却に使われる放熱シートとの違いなどをご紹介します。

ヒートシンクとは?

ヒートシンクとは、吸収した熱を空気中に発散(放熱)することで冷却を行う部品のことです。「放熱板」とも呼ばれ、CPUを冷却する「CPUクーラー」やSSDなどに備え付けられています。材質には、熱伝導率が高く加工性にも優れるアルミニウムが使われることが多いです。

機器の冷却のために使用するヒートシンクですが、電気の力などを使って冷却を行うものではなく、熱を空気中に発散する放熱による自然冷却で温度の上昇を防ぐものです。ヒートポンプなどとは異なり、特定の箇所を周囲よりも低い温度にすることはできません。

ヒートシンクで放熱できる仕組み

ヒートシンクを熱源に取り付けると、機器の持つ熱は熱伝導によってヒートシンクに伝わります。熱はヒートシンクから周囲の空気へと逃げていき、結果として熱源の温度が下がるという仕組みです。

つまり、ヒートシンクは空気に触れる面積が広いほど、放熱効率が高くなります。ヒートシンクの熱を放出する部分は、凹凸をつけたり蛇腹状に加工したりするなど、表面積を増やして放熱効率を高めるために「フィン」と呼ばれる構造になっている製品が多いです。冷却効果を高める目的で、空冷ファンなどと組み合わせて用いられる場合もあります。

単純な仕組みなので故障する可能性が低く動作音も発生しない点が、ヒートシンクのメリットです。また、周囲の温度以上に温度が低くなることもないため、結露の発生も心配せずに済みます。

ヒートシンクが必要な理由

CPUやSSDなど、電子機器の本体に内蔵される部品は性能が高くなるほど電力を多く消費し、発熱量も増加します。高負荷の動作に対応する高性能な部品ほど、温度が上昇しやすいということです。

部品の温度が上昇しすぎると、熱暴走によって誤作動が起こる恐れがあります。また、継続的に発熱を繰り返すことで性能が低下したり、故障を招いたりする可能性も考えられます。熱暴走による機器の誤作動や故障を防ぐためには、内部にこもった熱を外部に放出しなければいけません。機器の発熱しやすい箇所にはヒートシンクを取り付け、冷却性能を確保することが重要です。

ヒートシンクを使う前に知っておきたい「熱抵抗」

ヒートシンクを使用する際には、放熱性の目安となる「熱抵抗」を確認しておく必要があります。熱抵抗とは熱の伝わりにくさを表す指標のことです。値が小さいほど空気中に放熱される熱量が増えるので、熱抵抗が小さいものほど性能が高いヒートシンクといえるでしょう。一般的には、ヒートシンクの表面積が広いほど熱抵抗も低くなります。

放熱シートも併用するとより効果的

ヒートシンクと同じく、部品の冷却を目的としているアイテムに「放熱シート(熱伝導シート)」があります。放熱シートとは、熱伝導性を持つシリコンゴムを加工したもので、発熱する部品とヒートシンクの間に挟み込んで使用するアイテムです。

放熱シートを使うことで熱抵抗を下げられるので、ヒートシンクに熱を伝えやすくなり、放熱効率をさらに高められます。発熱量が多い部品を使う際は、ヒートシンクと放熱シートを併用すると、より効果的な冷却を行えるでしょう。

ただし、放熱シートはあくまでヒートシンクに熱を伝えやすくする役割しか持ちません。放熱シート単体で使用しても、放熱効果は見込めない点には注意が必要です。

おわりに 高性能な部品にはヒートシンクを活用しよう

近年のSSDは、高性能化にともなって動作時の発熱量も増加しています。高性能なパーツを内蔵するパソコンなどのパフォーマンスを保ち、長く正常に動作させるためには、部品や本体の過熱を防いで温度を上げすぎないことが重要です。適宜ヒートシンクを活用し、内部の熱を逃がすようにしましょう。

ヒートシンクだけでは温度をしっかりと下げられない場合は、放熱シートも併せて用意するのがおすすめです。熱抵抗を下げられる放熱シートをヒートシンクと併用することで、より効果的に放熱が行えます。

特に、NVMe SSDなど高性能な製品は発熱量が多いです。購入を検討している場合は、製品にヒートシンクが取り付けられているかを確認しましょう。性能と同時に発熱量も確認して、発熱のリスクに備えておくことが大切です。

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