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SSDに使われている「NAND」とは?フラッシュメモリの基礎知識

SSDに使われている「NAND」とは?フラッシュメモリの基礎知識

SSDやUSBメモリ、SDカードなどには「NAND型フラッシュメモリ」と呼ばれるフラッシュメモリが採用されています。しかし、NAND型フラッシュメモリという名前を聞いても、どういうものなのかよくわからない方が多いかもしれません。そこでこの記事では、SSDを知るうえでも重要な、NANDやフラッシュメモリの基礎知識について解説します。NAND型フラッシュメモリはSSDの寿命や性能に大きく関係する要素なので、SSD製品を選ぶ際にも、NAND型フラッシュメモリの知識を生かすことができるでしょう。

フラッシュメモリとは?

フラッシュメモリとは、データの読み書きを行える記録媒体の一種です。電源を切った状態でも記録したデータが消えずに残る「不揮発性メモリ」に分類されます。SSDやスマートフォンのストレージ、USBメモリなどがフラッシュメモリの一例です。フラッシュメモリにデータを記録する最小単位は「セル」と呼ばれます。

フラッシュメモリという名前は、カメラのフラッシュのように、データの消去が一瞬でできることにちなんで名づけられたとされています。

フラッシュメモリのNORやNANDの違い

フラッシュメモリは、セルの構成の違いから「NOR型」と「NAND型」に大きく分けることができます。ここでは、NOR型とNAND型のそれぞれの違いをご紹介します。

NOR型

各セルが並列に接続されているフラッシュメモリがNOR型です。1ビット単位で読み取りを実行でき、ランダムアクセスが高速という特長を持っています。一方、書き込み速度は遅く、大容量化にも適していません。主にルーターやプリンターといった機器では、NOR型のフラッシュメモリが採用されています。

NAND型

NOR型の後に開発されたフラッシュメモリで、通常はフラッシュメモリといえばNAND型を指します。NOR型と比較してランダムアクセスは低速になりますが、データの書き込みが高速な点や、集積化が容易で大容量化しやすい点が特長です。

近年は、メモリセルを縦に積み重ねてさらに大容量化した「3D NAND」が主流となっていて、多くのSSDやUSBメモリでNAND型フラッシュメモリが使われています。

NAND型フラッシュメモリでデータを保存する仕組み

NAND型フラッシュメモリがデータを保存する仕組みは、「フローティングゲート」と呼ばれる場所に電子を蓄えたり放出したりするというものです。この出し入れの際に、電子は「トンネル酸化膜」と呼ばれる部分を突き破って移動します。電子の移動によって酸化膜は徐々に劣化していくため、最終的には電子を蓄えられなくなり、正しくデータを保存できなくなってしまいます。つまり、書き込みや消去の回数が増えるにつれて、セルにデータを保持できる期間が短くなっていくのです。

NAND型フラッシュメモリの種類

NAND型フラッシュメモリは、使われるセルによっていくつかの種類に分けられます。ここでは、NAND型フラッシュメモリの種類とそれぞれの特長をご紹介します。

SLC

1つのセルに対して1ビットの情報を保存できるフラッシュメモリがSLC(シングルレベルセル)です。正確性や信頼性、耐久性に優れている点が特長で、書き換え回数の上限(寿命)は9万〜10万回ほどとされています。

ただし、1セルに格納できる情報量が少ないため、低容量で価格が非常に高価などのデメリットがあり、一般ユーザー用途には適していません。

MLC

MLC(マルチレベルセル)は、1つのセルに対して2ビットの情報を保存できるフラッシュメモリで、データ密度がSLCよりも高く大容量を実現できる点が特長です。

1つのセルの中に入れる情報量が増えた分だけ読み書き頻度も上がるため、SLCに比べると寿命は短く、書き換え回数の上限は8,000〜1万回ほどとされます。一般ユーザー向けとして市場に出回っているSSDでも、広く採用されています。

TLC

TLC(トリプルレベルセル)は、1つのセルの中に3ビットの情報を入れられるフラッシュメモリです。書き換え回数の上限は3,000〜5,000回程度と、MLCより寿命はさらに短いですが、より安価で大容量にできる点が特長です。

QLC

1セルに4ビットの情報が保存可能なNAND型フラッシュメモリがQLC(クアッドレベルセル)です。NAND型フラッシュメモリの中でもとりわけ低価格と大容量を両立していますが、1セルあたりの書き換え回数は500〜1,000回程度と、耐久性は劣ります。

おわりに NANDの知識をSSD選びに活用しよう

SSDなどのストレージにおいて、NAND型フラッシュメモリの種類は寿命などに関わる重要な要素です。種類によって特長が異なるため、用途に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります。NANDの知識を身につけておけば、SSDを選ぶ際などに役立つはずです。SSDを新しく購入する際などは、NAND型フラッシュメモリの種類にも気を配ってみてはいかがでしょうか。

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