HDD/SSDの速度は何で決まる?選び方に役立つ速度と容量の基礎知識

市販のパソコンには、データを保存するための内蔵HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)が搭載されています。HDD/SSDの違いを理解すれば、データの読み書きをより高速にしたり、大容量のデータを保存したりと、より便利に使えるようになります。ここでは、データの読み書きを行ううえで欠かせない、HDD/SSDの速度についてご紹介します。
※この記事は2024/8/20に再編集しました。
目次
HDD/SSDの速度に関する性能
HDD/SSDの速度については、以下の点が大きく関連してきます。
プラッター枚数(HDD)
プラッターとは、HDD内部にある、データを読み書きさせる磁気ディスク(円盤)のことです。プラッター枚数は、磁気ディスクがHDDに何枚入っているのかを表します。通常、HDDはプラッター1枚あたりの容量が大きいほど、転送速度も速くなるとされています。これは、プラッター1枚あたりの容量が少ないと、1回転で読み取れるデータ量が減り、回転数が多くなるためです。同じ容量のHDDでも、プラッターが多いものより少ないものの方が、1回転でより多くのデータを読み書きできるので、転送速度は「高速」ということになります。
回転速度(HDD)
例:7200rpm = 7200回転/1分 = 7200回転/60秒 = 120回転/1秒
プラッターの回転速度も、HDDのデータ読み書きに影響を与えます。回転速度は「rpm」という単位で表され、数値が高いほどデータ転送速度も高速です。
キャッシュ容量(HDD/SSD)
キャッシュとは、HDD/SSDに書き込むデータを一時的に保存する場所のことです。キャッシュに保存できるデータの容量が大きいほど、読み書き速度は上がります。
ただし、HDDのキャッシュは体感できるほど速度に影響を与えるものではないので、過度に気にする必要はありません。SSDの中には、キャッシュメモリ(DRAM)を搭載していない製品もあります。
SSDの規格(SSD)
SSDは、接続規格から大きくSATAとPCIe(NVMe)に大きく分けることができます。規格によってデータ転送速度も異なるため、購入する際は確認しておくのがおすすめです。
例えば、2.5インチSSDや一部のM.2 SSDが採用しているSATA 3規格の最大データ転送速度は600MB/s(6Gbps)ですが、PCIe 5.0×4に対応したM.2 SSDの最大データ転送速度は約16GB/sとなります。
ただし、実際のデータ転送速度は、使用している環境などに左右されるため、あくまで目安として捉えておきましょう。
また、規格によって接続端子が異なるケースも考えられます。機器に接続できない恐れもあるため、接続端子の規格も確認しておくと安心です。SSDの規格の違いについては、次の記事で詳しくご紹介しています。
セルの種類(SSD)
SSDは、NAND型フラッシュメモリと呼ばれる部品にデータを保存しています。NAND型フラッシュメモリは記憶できる容量からSLC(シングルレベルセル)・MLC(マルチレベルセル)・TLC(トリプルレベルセル)・QLC(クアッドレベルセル)などの種類に分けることができます。
1つのセルに1ビットだけ保存するSLCが最もスピードに優れており、1セルに4ビット保存できるQLCになるほどスピードは落ちます。
ただし、SLCは1セルに格納できるデータが限られるために容量が少なく、物理的なサイズも大きくなりがちと、一般ユーザー用途には向きません。SSDのセルの種類については、以下の記事を併せてご確認ください。
HDDをSSDに変えるとどうなる?
前述のとおり、HDDに比べるとSSDの方がデータ転送速度に優れています。ストレージをHDDからSSDに変えて、データの転送速度を速くすることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
主なメリットとしては、パソコンやアプリケーションの起動が速くなることが挙げられます。起動に時間がかかる動画編集ソフトやゲームなどは、SSDに保存しておくと快適です。また、4K動画や高画質な画像といった大容量のデータを読み書きする速度もあがります。日常的に取り扱うことが多いデータは、SSDに保存しておきましょう。
HDD/SSDの記憶容量も大事
パソコンや外付けHDD/SSDを購入する際は、速度に加えて保存できるデータの量(記憶容量)も重要です。仕事でたくさんのファイルを扱う、高品質な動画や画像を保存して楽しみたいといった場合は、内蔵ストレージの容量が大きいパソコン、もしくは外付けHDD/SSDが必要になります。具体的に保存できるデータの量については、以下の表を参考にしてみてください。