初心者でも安心!USB規格や形状について
〜種類・見分け方編〜
USBはスマートフォンの充電ケーブルや外付けHDD(ハードディスク)、SSD(ソリッド ステート ドライブ)、USBメモリなどの接続に利用される端子です。形状は規格ごとに異なるため、これから購入するUSBケーブルやパソコン、周辺機器のUSB規格は事前に調べておく必要があります。今回は、USBを使ううえで覚えておきたい、USBの種類の違いや見分け方についてご紹介します。
※この記事は2022/10/4に再編集しました
目次
USBとは?
USBとは、「ユニバーサル・シリアル・バス」という規格の略語です。パソコンに周辺機器を接続するための規格のひとつで、スマートフォンやタブレットなどにも、USBコネクタを接続するポートが採用されています。
USBがなかった時代は、マウスやキーボードなど、パソコンに接続する機器ごとにさまざまなポートが使用されていました。USBの誕生によって製品ごとの規格が統一され、ひとつのポートで複数の機器を運用できるようになったのです。
USBの特長として、周辺機器を動かすための電力供給をパソコンから行えることが挙げられます。機器の作動に必要な電力が少ない外付けHDDやSSD、マウスなどの場合は、USBケーブルでパソコンと接続するだけで駆動する「バスパワー」を使用できます。また、データのやり取りをしていなければ、パソコンの電源が入った状態でもケーブルを抜き差しできる「ホットプラグ」機能を備えている点も特長のひとつです。
転送速度によるUSBの種類
USBは、1996年に策定されたUSB 1.0の誕生以来、USB 1.1やUSB 2.0など、時代ごとにバージョンアップを繰り返してきました。末尾の数字は転送速度を示す規格のバージョンで、数字が大きいほどデータの転送速度も速くなります。現在発表されているUSBの転送速度の規格とそれぞれの理論上の最大転送速度は、以下の通りです。
- USB 1.1:最大転送速度12Mbps
- USB 2.0:最大転送速度480Mbps
- USB 3.0:最大転送速度5Gbps
- USB 3.1:最大転送速度10Gbps
- USB 3.2:最大転送速度20Gbps
- USB4:最大転送速度40Gbps
USBは下位互換性を持っているので、コネクタ形状が合っていればどの機器にも接続して使用できますが、転送速度は下位規格が基準となることを覚えておきましょう。例えば、USB 2.0の機器とUSB 3.0の機器を繋げると、転送速度はUSB 2.0の速度になります。
また、USB 3.0やUSB 3.1といった規格は、新規格の発表により複数回名称が変わっている点にも注意が必要です。USB 3.0は「USB 3.1 Gen1」や「USB 3.2 Gen1」、USB 3.1は「USB 3.1 Gen2」や「USB 3.2 Gen2」と表記されていることもありますが、すべて同じ規格を表しています。
一般的なUSBコネクタの形状の種類
USBコネクタの種類は大きく分けて、以下の7つに分類されます。
- USB Type-A
- USB Type-B
- USB Type-C(TM)
- mini USB Type-A
- mini USB Type-B
- Micro USB Type-A
- Micro USB Type-B
コネクタ形状が異なると接続できないため、購入するUSBケーブルなどのコネクタ形状が接続予定の製品に対応しているか確認してから購入しましょう。
USB Type-A
パソコンやUSBメモリなど、広く普及している形状のタイプです。通常はパソコンや充電器など、電力を供給するホスト側に接続して使用します。現在流通している規格は以下の3つです。
- USB 2.0 Type-A
- USB 2.0 Type-A
- USB 3.1 Type-A
USB 3.1、3.0、2.0はすべて互換性があるので、同じType-Aの端子であればどれも接続でき、変換ケーブルを使えばほとんどの端子に対応します。他のUSB規格だけでなく、ヘッドフォンのステレオ端子といった端子との互換性もあります。
USB Type-B
一般的に流通している規格には以下の3つがあります。USB 2.0と3.0または3.1で、端子の形状が大きく異なる点に注意が必要です。
- USB 2.0 Type-B
- USB 3.0 Type-B
- USB 3.1 Type-B
【USB 2.0 Type-B】
USB 2.0 Type-Bは、角が2つ削られた六角形の形状をしていて、プリンターや外付けHDDといった周辺機器側に用いられます。
【USB 3.0/3.1 Type-B】
USB 3.0やUSB 3.1のType-Bは、USB 2.0 Type-Bの端子上部にさらに端子を配置した形状になっているのが特長です。形状が異なるため、USB 2.0 Type-Bに接続することはできません。
USB‐Type-C(TM)
USB 3.1の策定にともなって作られた新しい規格です。USB‐Type-C(TM)が搭載されている代表的な製品としては、2015年以降のMacBookやスマートフォン、携帯ゲーム機などが挙げられます。変換ケーブルを使用すれば、USB‐Type-C(TM)非搭載のデバイスと接続することも可能です。
従来のUSBは、ホスト側(パソコンなど)はType-A、デバイス側(プリンターや外付けHDDなどの周辺機器)はType-Bを使用するというルールがありました。しかし、USB‐Type-C(TM)はホスト側・デバイス側で同じ形状の端子を使用できるため、Type-AやType-Bのように異なる形状の端子が混在している不便も解消されます。
また、USB PD(USB Power Delivery)という規格に対応しているものがあるのも、USB‐Type-C(TM)の特長です。最大100W(20V、5A)で充電が行え、対応している製品なら、従来の規格よりもスマートフォンやゲーム機の充電を高速で行え、ノートパソコンへの給電も可能です。
mini USB
mini USBは、主にデジタルカメラやドライブレコーダーなどで使われることがあるUSB規格です。
- mini USB Type-A
- mini USB Type-B
種類としては上記の2つがありますが、mini USB Type-Aを見かけることはほとんどありません。Mini USB Type-Bは台形に近い形状で、周辺機器側に接続するコネクタです。
Micro USB
mini USBの後継として登場した規格がMicro USBで、以下の種類があります。
- Micro USB Type-A
- Micro USB 2.0 Type-B
- Micro USB 3.0 / 3.1 / 3.2 Type-B
Micro USB Type-Aは現状ほとんど使われておらず、Micro USBといえばType-Bだと考えて差し支えありません。Micro USBは2.0と3.0以降で端子の形状が異なり、互換性を持たない点に注意が必要です。
Micro USB 2.0 Type-Bは、Mini USB Type-Bをさらに小さくした形状です。USB‐Type-C(TM)の普及で見かけることは減りつつありますが、一部のAndroidのスマートフォンやタブレットなどで使用されています。
一方で、3.0以降に対応したMicro USB Type-Bは真ん中部分がへこんでいて、大小2つのコネクタが並んだ形になっているのが特長です。主に外付けHDDなどの周辺機器で使われています。
Lightning
USBケーブルと同じく、使われることが多い規格に「Lightning」があります。Apple社が開発した規格で、iPhoneやiPadなど、Apple製品を接続するために使われているコネクタです。USB‐Type-C(TM)のように、上下の向きを気にせず接続できます。
USB規格のマメ知識
USBケーブルの劣化や断線、ケーブル長の不満などを理由に、新しいケーブルに買い替える際は、しっかりとUSB規格を確認する必要があります。マメ知識として、最低限覚えておきたいことをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
USB 2.0とUSB 3.0以降の簡単な見分け方
パソコンなどに接続する際に、手持ちのUSBが2.0なのか、3.0以降なのかわからなくなってしまうこともあるはずです。例外もありますが、USB 2.0とUSB 3.0以上のバージョンは「端子の内側が青色ならUSB 3.0以上のバージョン」と覚えておくと、簡単に見分けられるようになります。また、USB 2.0とUSB 3.0はロゴマークが異なるため、パソコン本体やUSBケーブルに記載されているロゴマークから判断することも可能です。
対応規格はパソコンや周辺機器の説明書に記載あり
パソコンや周辺機器のポートが対応している規格は、説明書にも記載されています。説明書を紛失した場合も、メーカーのwebサイトに仕様書や説明書がアップロードされていることが多いので、一度調べてみると良いでしょう。