「USB4(USB 40Gbps)」とは?従来規格やThunderbolt 4との違いは何?

USBは、パソコンやスマホをはじめ、多くのデジタルデバイスに搭載されている接続規格です。現在主流となっているバージョンはUSB 5Gbps(USB 3.0)やUSB 10Gbps(USB 3.1 Gen2)といった「USB 3シリーズ」ですが、その次の世代であるUSB 40Gbps(USB4 Version 1.0)規格も対応製品が出回り始めています。USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)とは、具体的にどのような特長を持った規格なのでしょうか。この記事では、USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)の概要や仕様、違いがわかりにくいThunderbolt 4との違いなどをご紹介します。
※この記事は2024/8/30に再編集しました。
目次
USB4(USB 40Gbps)とは?
USBは「Universel Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)」の略称で、パソコンやスマートフォンなどに周辺機器を接続するための統一規格です。IntelやApple、Microsoftといった企業が主導する「USB‐IF」という団体が、USB規格の仕様策定を行っています。
USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)は、IntelとApple社が共同開発した「Thunderbolt 3」という規格をベースに策定されました。1996年に発表された初代USB 1.0から数えて、6度目のバージョンアップにあたります。
現在目にする機会が多いのは、USB 5Gbps(USB 3.0、USB 3.1 Gen 1、USB 3.2 Gen 1)3.0やUSB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2、USB 3.1 Gen 2、USB 3.2 Gen 1×2)といった規格ですが、徐々にUSB 40Gbps(USB4 Version 1.0)対応の製品も増えつつあります。
USB4の仕様
USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)は、具体的にどのような仕様になっているのでしょうか。ここでは、従来の「USB 3シリーズ」と比較しながら、USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)の仕様や特長をご紹介します。
データ転送速度は最大40Gbps
USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)規格の最大転送速度は、名前のとおり40Gbps(理論値)です。これは、USB 5Gbps(USB 3.0)の8倍、USB 20Gbps(USB 3.2 Gen 2×2)の2倍のスピードにあたります。実際の転送速度は接続する機器やケーブルなどに左右されるものの、4K動画や高画質な画像といった大容量のデータもスムーズに転送可能です。
また、従来のUSBと同様に、USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)も下位互換性を備えています。端子の形状さえ合っていれば、USB 2.0やUSB 5Gbps対応の機器でも使用できますが、データ転送速度は下位バージョンに依存する点に注意が必要です。
例えば、USB 5Gbps規格まで対応しているデバイスにUSB 40Gbps(USB4 Version 1.0)対応のケーブルを接続しても、データ転送速度は最大5Gbpsとなります。
急速充電や映像出力が可能
USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)は、「USB PD(Power Delivery)」や「USB PD EPR」といった規格にも対応しています。デバイス側がUSB PD に対応している場合は最大100W、USB PD EPRに対応している場合は最大240Wの電力供給が可能です。最大2.5WのUSB 2.0や、最大15W のUSB 20Gbps(USB 3.2 Gen 2×2)とは異なり、消費電力が大きい機器を接続したり、急速充電を行ったりできます。
また、データ転送や充電に加えて、映像出力が行える点もUSB 40Gbps(USB4 Version 1.0)の特長です。USB-Type-C(TM)端子を搭載したパソコンなら、1本のUSBケーブルでデータ転送から映像出力まで済ませられます。
コネクタ形状がUSB‐Type-C(TM)に統一
USBには、USB‐AやMicro USBなどさまざまなコネクタの形状が存在しています。特にUSB 5Gbps(USB 3.0)やUSB 10Gbps(USB 3.2 Gen 1×2)といった規格では、USB‐A、USB‐Type-B、USB‐Type‐C(TM)など複数の端子が使われていて、多くの方がわずらわしさを感じたことがあるはずです。
USB 40Gbps(USB4 Version1)規格では、コネクタ形状がUSB‐Type-C(TM)に統一されています。端子の裏表や形状を気にせず、簡単に接続可能です。USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)に対応しているデバイスなら、コネクタの形状は同じなので、1本のケーブルで数多くの機器へ接続できるようになります。
名称は通信速度ベースに
バージョンアップに伴い、通信速度などが向上していく反面、USBは多くの名称が混在していて、非常にわかりにくくなっていました。
例えば、USB 3.0はUSB 3.1 Gen1やUSB 3.2 Gen1、USB 3.1はUSB 3.1 Gen2やUSB 3.2 Gen2、USB 3.2 Gen 1×2に、複数回にわたって名称が変わっています。いずれもデータ転送速度などの技術仕様は同じですが、表記が違うためわずらわしさを感じていた方も多くいらっしゃるでしょう。
そこで、USB-IFは2022年9月30日(アメリカ時間)に、USBのバージョン名称をわかりやすくするために、新たな表記のガイドラインを発表しました。 改訂されたガイドラインは、以下のとおりです。
また、2022年9月には「USB4 Version 2.0」という次世代規格が発表されています。USB4 Version 2.0では、最大80Gbps(理論値)という、USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)の2倍もの超高速な転送速度を実現可能です。
USB4を使用する際はケーブルの種類に注意
USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)のケーブルには、転送速度が最大20Gbpsのシングルレーンと、最大40Gbpsのデュアルレーンの2種類が存在します。ケーブルの種類によっては、40Gbpsの転送速度を利用できない可能性があるということです。
また、40Gbpsという転送速度を出す条件として、接続機器側もUSB 40Gbps(USB4 Version 1.0)のデュアルレーンに対応している必要がある点も注意しましょう。
USB4とThunderbolt 4の違い
USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)と似ている通信規格に「Thunderbolt 4」があります。Thunderbolt 4はUSB 40Gbps(USB4 Version 1.0) に準拠して作られたデータ伝送の規格です。最大転送速度は、USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)と同じ40Gbpsになります。
ただし、映像出力や電力の最小出力といった性能面では、Thunderbolt 4の方が優れています。例えば、USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)はディスプレイの接続数が1台なのに対して、Thunderbolt4は、4K解像度なら2台、8K解像度の場合は1台との接続が可能です。
電力の最小出力がUSB 40Gbps(7.5W)の倍にあたる15W、PCI Expressによるデータ転送も可能といった点も、Thunderbolt 4ならではのメリットといえます。
USB4対応のおすすめ「USB4接続対応 40Gbps SSDケース」
ロジテックでは、USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)規格に対応したM.2 NVMe SSDケースを取り扱っています。USB 40Gbps(USB4 Version 1.0)やThunderbolt4/3対応のポートに接続すれば内蔵 M.2 SSDとして認識されるため、データの高速転送が可能です。読み込み最大3,800MB/s、書き込み最大3,000MB/sと、内蔵SSDと同等のスピードでデータの処理を行えます。