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バックアップとは?スマホ・パソコン別の取り方とデータ消失を防ぐコツ

バックアップとは?スマホ・パソコン別の取り方とデータ消失を防ぐコツ

ウイルス感染や停電、自然災害、経年劣化、誤操作などが原因で、使用している機器のデータが消えてしまうことがあります。これらのリスクを完全になくし、データの消去を防ぐことはできません。大切なデータを守るためには、バックアップを取っておくことが重要です。この記事では、バックアップの概要やバックアップ方法の種類についてご紹介します。
※この記事は2024/7/9に再編集しました。

バックアップとは

バックアップとは、スマートフォン(スマホ)やパソコン、サーバーなどの機器内部に保存されたデータを、別のメディアにコピーして保存しておくことです。データバックアップを行っていないと、システムの不具合やウイルス感染によるデバイスの故障、操作ミス、自然災害などが原因で、大切なデータが消えてしまう恐れがあります。業務で使用するデータが消えた場合は、企業活動に支障をきたすこともあるでしょう。

しかし、定期的にバックアップを取っておけば、データが消えてしまっても、直近のデータはすぐに復元できます。大切なデータはバックアップを取り、不測の事態が発生しても復旧可能な状態にしておくことが重要です。

バックアップの種類

バックアップは、その性質からシステムバックアップとデータバックアップの2種類に分けられます。それぞれの特長は、以下のとおりです。

システムバックアップ

システムバックアップは、OSや設定、アプリケーションなどを丸ごとコピーし、利用しているシステムをもう1台分構成する方式です。「イメージバックアップ」と呼ばれることもあります。基幹のシステムが故障した場合でも、システムバックアップを行っていればスムーズに復旧が可能です。

システムバックアップの手法は、システムを停止した状態で行う「オフラインバックアップ」と、システムを稼働したまま行う「オンラインバックアップ」に大きく分けられます。オンラインバックアップは作業しながらでもバックアップを行えますが、その分システムへの負荷が高くなりやすいというデメリットがあります。

データバックアップ

データバックアップは、テキストや写真など、保存した各種データのみを複製して保管する方法です。システム環境を丸ごと復元することはできませんが、手軽に行えるメリットがあります。

ある時点における全ての保存データをバックアップとしてコピーする「フルバックアップ」や、前回保存した時から変更があったデータだけコピーする「増分バックアップ」、フルバックアップから変更や追加した分を都度コピーする「差分バックアップ」などの種類があります。

バックアップを行う頻度はどれくらい?

データのバックアップを行う頻度は、スマートフォンやパソコンを使用しているユーザーや、システムの管理者が自由に決めることができます。万が一データが消えてしまっても、問題を最小限に抑えられる頻度でバックアップを行いましょう。ただし、バックアップを行う頻度を増やすほど安全性も高まりますが、手間や時間がかかります。バックアップ先の容量を多く使う点も問題です。

基本的には、データの重要性やバックアップの種類に応じて、行う頻度を決めると良いでしょう。例えば、毎日何度も更新するデータや、重要性が高いデータは、できるだけこまめにバックアップを実施した方が安全性を高めることができます。バックアップツールを使用して、決まったタイミングで自動的にバックアップされるように設定するのもおすすめです。

反対に、システムバックアップは時間がかかるうえに頻繁にデータが変わるものではないため、毎日のようにバックアップを取る必要性は薄いといえます。数カ月に1回を基本に、OSのバージョンアップやアプリをインストールした時など、構成が変化したタイミングでバックアップを行うと良いでしょう。

バックアップに使える機器の種類

バックアップに使用する機器は、デバイス本体が壊れた際にデータを取り出せなくなる事態を防ぐために、使用しているデバイスと分けて使えるものが望ましいです。ここでは、バックアップ作業に使用できる機器の一例をご紹介します。

HDD

HDD(ハードディスク)は、内部のディスクに磁気でデータを記録していきます。大容量のデータを保存可能で、容量あたりの価格も安いのがメリットです。ネットワーク接続型のHDDであるNASを使用すれば、複数台のパソコンのバックアップにも使用できます。ただし、機械部品が物理的に駆動してデータの読み書きを行うため、HDDは振動や衝撃に弱いです。持ち運びをする際は、取り扱いに注意する必要があります。

SSD

フラッシュメモリを使用した記憶装置がSSDです。駆動部品がないため衝撃に強い、動作音が静か、データの読み書きが高速といったメリットがある一方で、容量あたりの価格はHDDよりも高くなります。フラッシュメモリの性質上、長期間使用しなかった場合にデータが消失する恐れがある点にも注意が必要です

磁気テープ

LTOに代表される磁気テープは他の記録媒体に比べて故障が少なく、長期間のデータ保存に適しています。比較的安価ながら大容量のデータを保存可能で、保管中は電力を消費しないため停電などの事態にも強いです。磁気ヘッドのゴミを除去するために、定期的なメンテナンスが必要というデメリットもあります。

光ディスク

CDやDVD、Blu-rayディスク、M-DISCといった光ディスクも、バックアップ用途におすすめのメディアです。保管状況によっては、長期間データを守ることができます。ただし、ディスクに読み書きできる光学ドライブがない場合は使用できません。外付けドライブの用意が必要になる点は、光ディスクのデメリットといえます。

契約書や税務関連の書類といった、使う頻度が低いものの、法令などで一定期間の保管が義務付けられているデータを保存するストレージ(コールドストレージ)として選ばれるケースもあります。

クラウドストレージ

インターネット上にデータを保存するクラウドストレージ(オンラインストレージ)も、バックアップ用途に適しています。インターネットに接続しているデバイスであれば、端末を問わずデータにアクセスできる点もメリットです。ただし、オフライン環境では使用できず、データの読み書きの速度は回線状況に左右されてしまいます。

また、一般的なクラウドストレージは無料で保存できるデータ容量が少なめで、たくさんのデータを保存するには月額料金が必要になる点にも注意しましょう。例えば、Googleが提供するGoogleドライブなら15GB、Appleが提供するiCloudなら5GBまでしか、無料版では使用できません。

スマホやパソコンのバックアップの取り方

日頃から使用しているスマホやパソコンも、データバックアップを行っておくことが重要です。ここでは、それぞれのデバイスでバックアップを取る方法をご紹介します。

iPhoneの場合

スマホのバックアップは、パソコンを使用する方法と、各OSが提供するクラウドサービスを利用する方法の2種類があります。iPhoneの場合は、次のような操作でバックアップを取ることができます。

【パソコンを使用する場合】

  1. パソコンでFinderまたはiTunesを起動し、必要であればログインする
  2. パソコンとiPhoneを接続し、画面上にパスコードの入力やメッセージが表示された場合は、画面の指示に沿って操作する
  3. iTunesやFinderの左側にあるiPhoneマークをクリックする
  4. バックアップ欄の「このコンピューター」や「iPhone内のすべてのデータをこのMacにバックアップ」を選択し、バックアップを取る

【クラウドを使用する場合】

  1. iPhoneをWi-Fiネットワークに接続する
  2. 「設定」→「ユーザー名」→「iCloud」の順にタップする
  3. バックアップを取りたい項目を選択し、「iCloudバックアップ」をオンにする

Androidの場合

Android端末は機種やOSのバージョンによって、操作が多少異なる場合もありますが、以下のような操作でバックアップが行えます。

【パソコンを使用する場合】

  1. パソコンとスマホを接続する
  2. スマホのフォルダが表示されたら、保存したいデータをパソコンにコピーする

【クラウドサービスを使用する場合】

  1. 設定画面を開き、「アカウントとバックアップ」→「バックアップと復元」の順にタップ
  2. 「Googleアカウント」欄の「データのバックアップ」をオンにする

パソコンの場合

パソコンに保存しているデータも、定期的にバックアップを取っておくことが大切です。Windows10パソコンを例に、バックアップの方法をご紹介します。

【パソコンでバックアップを取る方法(Windows10の場合)】

  1. スタートボタンを右クリックし、プルダウンメニューから「設定」を選択する
  2. 「更新とセキュリティ」→「バックアップ」の順にクリックする
  3. バックアップ用のストレージを接続したら「ドライブの追加」をクリックする
  4. 画面上でバックアップ先の機器を選択して実行する
  5. パソコンのバックアップ方法の詳細は、以下の記事も併せてご確認ください。

データを守るバックアップ管理のポイント

バックアップを取っていたとしても、いざという時にデータを取り戻せなければ意味がありません。データのバックアップを取る時は、「3-2-1ルール」に準拠するのがおすすめです。3-2-1ルールの概要は、以下のとおりです。

● データを3カ所に保存する

2つ以上のバックアップを取り、オリジナルのデータと併せて3つ以上のデータを持ちましょう。3つ以上同じデータを用意しておけば、1つのバックアップが消えてしまっても復旧できる可能性が残ります。

● 2種類以上のメディアにデータを保存する

外付けHDDとクラウドストレージなど、異なるメディアにデータを保存することもポイントです。複数のメディアにデータを保存しておけば、故障によるデータ消失を防げます。

● 1つを遠隔地に保存する

バックアップの1つは遠隔地に保存するようにしましょう。バックアップデータを1カ所に保存していると、自然災害で全てのデータが消えてしまう恐れがあります。遠隔地にデータを置いておくと、自然災害などからもデータを守ることが可能です。メディアを置く場所がない時は、クラウドストレージを活用すると良いでしょう。

おわりに 大切なデータはバックアップを取っておこう

停電やマルウェア感染、誤操作などにより、デバイスに保存されたデータはいつでも消えてしまう恐れがあります。定期的にバックアップを取り、データが消えてしまった場合でも被害を最小限に抑えることが重要です。保存データの種類に適したバックアップ方法や記録媒体を選び、各デバイスのバックアップを取っておくことで、万が一の事態に備えておきましょう。

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