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USB 3.0とは?2.0規格との比較を踏まえながら特長や使用時の注意点をご紹介

USB 3.0とは?2.0規格との比較を踏まえながら特長や使用時の注意点をご紹介

USB(Unibersal Serial Bus/ユニバーサル・シリアル・バス)は、パソコンに周辺機器を接続する時はもちろん、スマホやタブレットの充電、IoT家電への給電など、多くの場面で使われる規格です。しかし、USBにはさまざまな規格があるため、非常にわかりづらいものとなっています。そこでこの記事では、端子形状がUSB-Aの「USB 3.0」の特長を、1つ前の規格であるUSB 2.0と比較しながらご紹介します。
※この記事は2022/11/10に再編集しました。

USB3.0とは

USB3.0は、USB 2.0の後継として2008年に策定された規格です。「Super Speed USB」というブランド名が付けられていて、登場時は処理スピードの高速さがアピールされました。その後、2013年に後継規格であるUSB 3.1が策定されたことにより、正式名称がUSB3.0から「USB 3.1 Gen1」になっています。また、2017年にはUSB 3.2規格が策定されたため、再度「USB 3.2 Gen1」と名称が変更されました。現在はそれぞれの名称が混在していて紛らわしいですが、どれも同じものだと覚えておきましょう。

USB3.0の特長

USB 2.0の後継として使われるようになったUSB3.0は、どのような特長を持っているのでしょうか。ここでは、USB3.0規格の性能について具体的にご紹介します。

最大5Gbpsの転送速度

USB3.0のデータ転送速度の理論値は最大5Gbpsと、従来規格に比べて非常に高速です。大容量の外付けストレージなども、快適に使うことができます。ただし、データ転送速度はコントローラや使用環境によっても異なり、実効値は600〜1,100Mbps程度とされています。

多数のUSB機器を接続可能

パソコンのUSB3.0端子にUSBハブを接続すれば、1台のパソコンに最大127台のUSB機器が接続可能です。また、USB 2.0など旧規格の製品を混在した接続もできます。

現実的に127台の周辺機器をつなぐ機会はないかもしれませんが、自宅やオフィスなどで多数の機器を接続する際にも困ることはまずないでしょう。

USBバスパワーに対応

USB3.0では、給電能力が従来の500mAから900mA(5V)に向上しています。そのため、パソコンから直接電力を供給する、バスパワータイプの外付けドライブなどを接続しても、安定して稼働させることが可能です。

USB3.0とUSB2.0との違い

USB3.0は、それまでのUSB2.0に比べて性能面で大きく向上が図られた規格です。ここではさらに、USB3.0とUSB2.0の転送速度や電力供給量などの差について解説します。

データ転送速度

USB2.0のデータ転送速度は理論値で最大480Mbps、実効値で250〜300Mbpsです。USB3.0は前述の通り理論値で最大5Gbps、実効値で600〜1,100Mbpsとされているので、実効値で見ても、かなりの高速化が図られていることがわかります。

電力供給量

900mAの電力供給量を誇るUSB3.0に対し、USB2.0は500mAです。そのため、USB2.0でもマウスやキーボードといった周辺機器への給電は対応できますが、大きなバスパワー給電が必要な製品は使用できない可能性があります。一方でUSB3.0は、外付けドライブなど比較的大きな電力が必要となる機器を稼働させることも可能です。

端子

USB-Aコネクタの場合、USB2.0と3.0で形状は同じですが、3.0の端子はコネクタ内部が青く塗られているため、すぐに見分けることができます。一部機器では、USB3.0対応でも端子が青くなっていないこともありますが、そのような場合も「SS(Super Speed)マーク」の有無や端子内部のピン数の違いで判別が可能です。ちなみに、USB2.0の端子はピンが4本、USB3.0はピンが9本となっています。

また、USB Type-BやMicro USB Type-Bの場合は、2.0と3.0で形状が大きく異なるため、より簡単に見分けることが可能です。USB Type-Bの端子は、2.0が少しいびつな六角形で、3.0が「凸」のような形状、Micro USB Type-Bの端子も2.0は薄い台形で、3.0は中央がへこんで2つの長方形を並べたような形状となっています。

パソコンにUSB3.0ポートがあるか確認する方法

パソコンの場合は、USB端子の色やピンの数を確認しなくても、デバイスマネージャーから、USB3.0対応のポートがあるかどうかを判断できます。

【確認方法(Windows 10の場合)】

  1. 1.タスクバーのWindowsアイコン(スタートボタン)を右クリックして、「デバイスマネージャー」を選択する
  2. 2.開いた画面にある「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」をダブルクリックして展開し、そこにUSB3.0と記載されているものがあればUSB3.0対応

USB3.0を使う際の注意点

高性能化が図られたUSB3.0は非常に便利な規格です。しかし、使用する際には注意したい点もあります。

周辺機器がUSB3.0に対応していないと性能を引き出せない

USB‐Aは2.0も3.0もコネクタ形状が同じで互換性を持つため、USB2.0までにのみ対応した周辺機器でも、USB3.0対応のポートに接続することができます。ただしその場合、データ転送速度などはUSB2.0の実効値まで落ちるので注意しましょう。USB3.0の性能を引き出すには、接続する機器やケーブルがすべてUSB3.0以上の規格に対応している必要があります。

USB2.0として認識される場合がある

パソコンなどにゆっくりとUSB機器を挿し込んだ際に、ポートも機器もUSB3.0対応なのにも関わらず、2.0として認識されることがあります。USB3.0は、USB2.0との互換性を保つために、手前側にUSB2.0の端子、奥側にUSB3.0用の端子を搭載しています。ゆっくりとUSB機器を挿し込んだ場合、USB3.0の端子が接続する前に、手前にあるUSB2.0端子で認識されてしまうのです。

つまり、USB3.0として機器をパソコンなどに認識させるには、奥まで素早くしっかりと挿し込まなければいけません。USB3.0対応の外付けストレージの転送速度が遅い、認識されないといった場合は、USBを素早く挿し直すことで、状況が改善する可能性があります。また、パソコンやUSB機器の電源を一度落とし、端子を挿し直したうえで再起動を行う方法でも、USB3.0として認識させることが可能です。

古いOSは未対応

古いOSには、USB3.0に対応していないものもあります。たとえば、2020年1月をもってサポートが終了したWindows7はUSB3.0に対応していなかったため、もし使用する場合はドライバーを自分でインストールする必要がありました。Windows8以降のWindows OS、また2012年以降のMacOSはUSB3.0にすべて対応しています。

コネクタの形状にも注意

USB3.0に対応したコネクタにはUSB-AやType-B、USB‐Type-C(TM)など、いくつかの形状があります。形状が異なると機器を接続できないので、コネクタ、ケーブル、接続部の形状を必ず確認しましょう。また、前述のように、USB Type-BやMicro USB Type-Bは2.0と3.0で形状が大きく異なります。互換性がなく接続できないため、コネクタにType-Bを採用している製品を購入する際は注意が必要です。

おわりに USB3.0は普段使いなら未だに優秀

現在では、USB 3.1やUSB 3.2、USB4といったUSB3.0の後継規格も策定されていますが、大量のデータを扱わない普段使いの用途なら、USB3.0の製品でも問題なく使用できます。USB接続が必要な製品を探す際は、コネクタなども確認したうえで、USB3.0以上に対応した製品を選ぶようにしましょう。

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