SeeQVault™(シーキューボルト)とは? 対応HDDを用意してテレビ番組を便利に録画しよう

テレビ番組を録画して保存するために、外付けHDDを使用している方も多くいらっしゃるでしょう。外付けHDDに保存された番組は、基本的に接続したレコーダーまたはテレビでしか再生することができません。現在接続している機器以外でも録画番組を再生したいと考えている方は、「SeeQVault™(シーキューボルト)」に対応した製品を選ぶと便利です。この記事ではSeeQVault™の概要や対応機器の便利な使い方、使用時の注意点をご紹介します。
※この記事は2023年8月4日に再編集しました。
目次
SeeQVault™とは?
SeeQVault™とは、パナソニック、サムスン、ソニー、東芝の4社が共同開発した、高い再生互換性を備えた著作権保護技術です。地上デジタル放送や衛星放送で放映されるHD映像の番組を、録画したレコーダーやテレビ以外の機器でも再生することができます。
レコーダーやテレビに外付けHDDを接続すると、機器と外付けHDDが紐づけされ、記録したデータは暗号化によって保護されます。従来の著作権保護技術では、暗号化の解除(復号化)に必要な鍵はレコーダーやテレビ側が保有していて、外付けHDDに録画したテレビ番組は紐づけされたレコーダーやテレビ以外では再生できませんでした。
そのため、別のテレビで録画した番組を観たり、古いテレビで録画した番組を買い替えたテレビで再生したりすることはできなかったのです。SeeQVault™対応機器は、コンテンツの復号化に必要な情報を外付けHDD側が備えることで、他の機器に接続しても録画データを利用できるようにしています。 SeeQVault™対応のSDカードにダビングしたデータをコピーすれば、スマートフォンやタブレットといった、テレビ以外の機器でも番組を高画質なまま楽しむことが可能です。※
※ 視聴する機器にSeeQVault™対応の再生アプリが必要です。また機器がSeeQVault™に対応していない場合、SeeQVault™対応の SDカードリーダー/ライターが必要です。
※すべての機器での視聴やデータ転送等を保証するものではありません。
SeeQVault™はバックアップやデータ引越しの際に便利
SeeQVault™対応機器は、外付けHDDに録画した番組を複数のテレビやレコーダーで楽しめるのが特長です。万が一テレビやレコーダーが故障しても、SeeQVault™対応の外付けHDDに番組を録画しておけば、機器を交換するだけで再生できます。テレビやレコーダーを買い替える際や故障に備えたバックアップの手段として、SeeQVault™を活用できて便利です。また、SeeQVault™対応機器同士なら、録画した番組をDVDやBlu-rayディスクなどに移動させる必要がありません。番組を録画している外付けHDDをつなぎ変えれば、別の部屋のテレビでも番組を楽しめます。
ただし、録画データの再生はSeeQVault™対応の同一メーカー機種間に限るなど、条件があります。詳しくは『SeeQVault™機能を使うための条件』をご覧ください。
おすすめ製品
● ロジテック SeeQVault™対応 外付けハードディスク 4TB

SeeQVault™対応で、レコーダーやテレビを買い替えても録画した番組をそのまま視聴できます。横置きでも縦置きでも吸気口が下に来る設計を採用し、騒音の原因となる空冷ファンは搭載していません。静音性と安定した稼働を両立しています。また、レコーダーやテレビのオンオフと電源を連動する「電源連動機能」を搭載。HDDに一定時間アクセスがない時はモーターを停止する省電力機能も備えており、消費電力を減らします。
● ロジテック SeeQVault™対応 ポータブルハードディスク 4TB

小型で持ち運びしやすい、SeeQVault™対応のポータブルHDDです。耐衝撃設計で、万が一の落下からデータを守ります。外部電源不要で駆動するUSBバスパワーに対応しているので、レコーダーやテレビに接続するだけで使用できる点も魅力です。別売りの取付キットを使用すれば、テレビの背面に隠すように設置できます。
SeeQVault™機能を使うための条件
SeeQVault™は、別の機器で録画した番組でも再生できるようになる便利な機能ですが、全ての機器で再生・視聴を行えるわけではありません。SeeQVault™機能を使用するには、以下の点を満たしている必要があります。
全ての機器がSeeQVault™に対応している
SeeQVault™を利用して保存した録画データを再生するには、録画および再生機器、データを記録する外付けHDDの全てが、SeeQVault™に対応している必要があります。例えば、録画やダビング元となるテレビがSeeQVault™非対応だと、SeeQVault™方式で記録が行えないため、他の機器が対応していても再生はできません。SeeQVault™非対応の機器がある場合は、対応製品に買い替えるか、パソコンに専用アプリをインストールしましょう。
録画した機器と再生する機器が同一メーカー
SeeQVault™は、異なるメーカーの製品と互換性を持たない点にも注意が必要です。例えば、A社のレコーダーやテレビでSeeQVault™対応の外付けHDDに番組を録画した場合、B社やC社といった他のメーカーのレコーダーやテレビでは、たとえSeeQVault™対応機器でも再生することはできません。レコーダーやテレビを買い替えても録画した番組を視聴したい方は、同一メーカーのSeeQVault™対応機器を購入しましょう。
外付けHDDをSeeQVault™形式でフォーマットしている
SeeQVault™に対応している外付けHDDを、SeeQVault™形式でフォーマット(初期化)していることも条件のひとつです。外付けHDDをレコーダーやテレビに接続したら、設定画面から「通常録画用」ではなく「SeeQVault™用」を選択してフォーマットを行ってください。具体的なフォーマットの方法は機器によって異なるので、詳細は取扱説明書などで確認することをおすすめします。
SeeQVault™使用時に注意したいポイント
SeeQVault™機能を使用する際は、機器が対応しているかどうか以外にも、気をつけたい点があります。SeeQVault™機器を使用する際の注意点をご紹介します。
4K番組には非対応
SeeQVault™は、「HD画質」に対応した規格です。通常の地上デジタル放送などのデータ移行は行えるものの、4K規格の番組には対応していません。SeeQVault™形式で外付けHDDをフォーマットすると、4K規格の番組を録画できなくなるため注意してください。
他の機器では視聴できなくなるものの、通常録画用にフォーマットすれば、4K番組を録画できます。4K規格の番組の録画と、SeeQVault™の録画を行いたい方は、4K番組用とSeeQVault™用に複数の外付けHDDを用意すると良いでしょう。
BDレコーダーを使用している時はダビング回数に注意
BDレコーダーの多くは、番組を直接SeeQVault™対応のストレージに録画できません。BDレコーダーは、一度レコーダーに番組を録画してから、SeeQVault™対応の外付けストレージにコンテンツをコピーします。
ダビング回数を残したままコンテンツを外付けストレージに移動させることはできず、ダビング10コンテンツの場合はダビング残回数が1回減るため、たくさんダビングを行いたい方は注意が必要です。
しかし、制限こそありますが、コピーしたコンテンツは他のSeeQVault™対応レコーダーやテレビで問題なく再生できるため、録画した番組を長期間保存することができます。