SSDでNAS(ネットワークHDD)を構築できる?外付けHDDとの違いは何?

パソコンやゲーム機など、さまざまな場所でSSDが使われる機会が増えてきています。そのような中、従来はHDDで構築するのが主流だったNAS(ネットワークHDD)でも、SSDを使用するケースが目立ってきました。SSDを使ったNASの構築には、どのようなメリットがあるのでしょうか。この記事では、NASの概要や、NASにSSDを搭載するメリットなどをご紹介します。
※この記事は2025/05/26に再編集しました。
目次
NAS(ネットワークHDD)と普通のHDDは何が違う?
NAS(Network Attached Storage)とは、有線もしくは無線でネットワーク(LAN)に接続して使うストレージのことです。HDDを用いて構築するケースが一般的で、「ネットワークHDD」などと呼ばれる場合もあります。通常のHDDやSSDは、機器に内蔵されているか、外付けストレージの場合はUSBケーブルで接続して使用します。そのため、一度に1台の機器としか接続することはできません。
一方で、NASはネットワークを介して機器と接続するため、同じネットワークに接続されている複数の機器から、同時にストレージへの接続が行えます。ケーブルをつなぎ変えることなく、複数のデバイスから同じデータを閲覧したり、複数の人とデータを共有したりすることが可能です。
また、NASの機種によっては内部にOSやCPUを搭載していて、保存したデータの管理や運用に拡張性を持たせられる場合もあります。複数台のドライブを搭載できるタイプは、RAIDを利用してデータの冗長性を確保したり、読み書きを高速化したりできる点もメリットです。
SSD搭載のNASのメリット
NASといえばHDDを搭載した機種が一般的でしたが、近年はSSDに対応したモデルが増えてきています。ここでは、SSDを搭載したNASのメリットをご紹介します。
衝撃に強い
HDDは衝撃や振動に弱い記憶媒体です。NAS機器が倒れたり落下したりして衝撃を受けると、データを記録する面が傷つき、機器が故障する可能性があります。一方で、SSDは物理的に駆動する部品を持ちません。衝撃を受けたとしても、HDDに比べると機器が故障する恐れが低いです。振動が発生しやすい場所に設置したり、NASを移動させたりしなければいけないシーンでも、比較的安心して利用できます。
また、SSDは動作時に機器が振動することもありません。通常のNASは、互いのHDDの振動が原因で書き込み不良が起こる可能性もありますが、SSD搭載のNASなら振動などに起因する書き込み不良を防ぐことができます。
静音性や消費電力に優れる
SSDには駆動部品がありません。内蔵部品の駆動音がしないうえに、発熱量が少ないSSDなら冷却ファンが必要ないこともあるため、静音性に優れています。NASの筐体に冷却ファンが備えられていなければ、外部からホコリやゴミなどが混入して故障するリスクも抑えられます。
また、SSDは稼働時の消費電力が低い点もメリットです。長時間稼働させ続ける必要があるNASでも電気代を抑えられ、ランニングコストの節約につながります。
内部処理の高速化
すべてSSDで構築されたNASは、HDDだけを搭載したNASと比較して、データの転送やファイルの読み出しといった処理の高速化も期待できます。ただし、ネットワークを利用してデータの転送を行うため、具体的な処理速度はネットワーク状況やネットワークを構成する機器、ケーブルなどに左右される点には注意が必要です。
10GbEに対応しているNAS機器の場合は、パソコン内部に保存したファイルとほぼ変わらないスピードで閲覧や編集を行うことができるとされています。
SSDをキャッシュとして搭載する手も
発表当初に比べると価格が下がっているとはいえ、SSDはHDDと比較すると高価です。SSDだけを使って大容量のNASを構築するのは難しく、容量を増やすためにHDDを使わざるを得ないこともあるでしょう。
そのような場合は、SSDをキャッシュとして搭載可能なNASを使用するのがおすすめです。HDDをデータ保存用のストレージとして使用しながら、SSDだけで構築したNASに迫るパフォーマンスの実現が期待できます。容量あたりの単価がネックで、SSDだけでNASを構築するのが難しいという場合は、キャッシュとしてSSDを搭載してみるのもおすすめです。
NAS(ネットワークHDD)の選び方
NASと一口にいっても、ドライブを最初から内蔵しているタイプと、別途HDD/SSDを用意するタイプに分けられます。内蔵型は、容量を増やしにくいものの、導入してすぐに使用できる点がメリットです。内蔵されたドライブで保存できるデータ容量が決まるので、購入前に容量を確認しておきましょう。
一方で、ドライブを別途用意するタイプは、ストレージの容量を自由に選ぶことができます。故障したり、容量が足りなくなったりしたら交換できるなど、拡張性に優れているのも特長です。
また、NASの中には複数のドライブを1つとして認識するRAIDに対応しているものもあります。RAID対応のNASを用意すれば、データの書き込みを高速化したり、耐障害性を高めたりすることが可能です。バックアップ用途や、大容量のデータを取り扱う場合は、RAID機能に対応したモデルの用意をおすすめします。
NAS構築の際は信頼性に優れたSSDが必須
NASを構築する際は、24時間365日の常時稼働や、複数のユーザーからアクセスが集中するなど、使用環境が過酷になることが想定されます。データを安全に保存するには、通常のSSDよりも、信頼性や耐久性に優れたSSDの用意が欠かせません。SSDを用いたNAS構築を検討する際は、内部ストレージの信頼性の高さを確認することも大切です。
複数台のストレージを搭載できる!ロジテックのおすすめ商品
ロジテックでは、複数台のドライブを搭載して外付けストレージとして使えるHDDケースやコピースタンド(デュプリケーター)を取り扱っています。ここからは、ロジテックのおすすめ商品をご紹介します。
Type-C対応 HDDケース 3.5インチ 2.5インチ SSD
最大で4台のHDD/SSDを搭載できる、USB-Type-C(TM)対応のHDDケースです。2.5インチ用のマウンタを付属しているので、2.5インチHDD/SSDをすぐに取り付けられます。USB 10Gbps(USB 3.2 Gen2)に対応しているので、SSDの性能を最大限発揮することが可能です。
ハードディスクケース 4BAY 外付け RAID機能搭載
最大16TBのHDDを4台まで搭載できるHDDケースです。複数のHDDにデータを分割して書き込むRAID0や、2台のHDDに同じデータを保存するRAID1など、6種類のRAID機能を搭載しています。RAIDを構築せず、HDDごとに個別管理することも可能です。
HDDコピースタンド エラースキップ機能搭載 2BAY 3.5インチ 2.5インチ
2.5/3.5インチHDDや2.5インチSSDを取り付けられるコピースタンド(デュプリケーター)です。パソコンを使わずにHDD/SSDのデータを丸ごとコピーして、クローンを作成できます。エラースキップ機能を搭載しているので、データの読み書きが行えない不漁セクターがあるドライブもコピー可能です。
HDDケース 3.5インチ(ハードディスクケース) 2BAY
3種類のRAID機能と、HDDを個別管理する機能を搭載した、3.5インチHDD用のケースです。無償でダウンロードできるソフトウェアを使って、RAID構築などのドライブ管理を行えます。大容量のデータ保存や、バックアップ用途におすすめです。